翻訳と英文和訳の間で



今回は翻訳と英文和訳について書いてみたいと思います。 

 

定義

まず翻訳と英文和訳は定義の仕方によっては同じことを指すこともできるので,まずこの記事用に定義しておきましょう。

この記事では,

英文和訳を「原文に含まれる単語を過不足なくターゲット言語である日本語に置き換えて意味の通る訳文を作ること」,

翻訳を「原文の情報を過不足なくターゲット言語である日本語に置き換えること」

と定義しました。

今どのように習うのかは定かではありませんが,英文和訳=学校英語=直訳でいいかと。

一方翻訳は英語ネイティブの人が原文を聞いたり読んだりして得る情報/印象と翻訳された日本文を聞いたり読んだりして得る情報/印象が同じになることを目指す訳し方と言えば何かすごいことを言っているようですが,要するに「意訳」ってことじゃないかと思ったり。

 

たとえばYou can't be serious をどう訳すか 

englishluke.com

 

実は今回これは上の記事内に書こうとしたのですが,文法説明には蛇足以外の何者でもないので別途ここに書くことにしました^^

You can't be serious を訳してみます。

 

英文和訳:あなたは本気であるはずがない。

翻訳:本気かよ。

 

英文和訳は You, can't be, serious という要素を過不足なく入れた上で意味の通る文になっています。

翻訳は次ように考えて導き出した訳です。

can't be は「~なはずがない」,serious は「本気だ」なので「本気なはずがない」となる。「本気なはずがない」はこなれてないので,ここで和文和訳が入り“相手の言っていることが信じられない”という状況を考えて「本気かよ」となる。

 

このサイトの文法関連記事での考え方

このサイトの文法関連の記事では文法の習得が大目標ですのでまず直訳をしています。たとえばYou can't be serious を「本気かよ」と訳してしまうともう文法的な繋がりがすっちゃかめっちゃかになってしまうからです。その上で例文によっては参考としてこういう訳もできるよという訳も掲載しています。

各記事中の訳を見て「こいつ訳下手だな」と思うことがあってもこういう事情ですの多めに見てほしい!

出たよ,言い訳!そもそもゴリさん実務翻訳者っていってもほぼ英訳しかしてないよね?和訳のことなんて知らないよね?

あ~聞こえない。都合の悪いことは何も聞こえな~い。 

 

適材適所

やはり最終的には適材適所ということになるのだと思います。文法を学ぶときには直訳の方が理解しやすいので一概にダメと決めつけるわけにはいかない。

一方「あなたは本気であるはずがない」より「本気かよ」の方が読みやすい。読みやすさを求めるなら確実にこちらでしょう。

 

でも本当は訳さない方が.... 

訳し方について書いてきておいて今さらですが,多くの英語学習者にとっての最終目標は英語が話せる・書けるようになることではないでしょうか?その場合,学習途上で便宜的に日本語訳を利用するのは全然OKというか必要不可欠なことだと思います。しかし最終的には英語を読んでそのまま理解する,あるいは英語を話す・書くときは英語で考えるのがベストです。そのためには....という方法論はまた別のコラムで。

 

最後まで読んでくれてありがとう!!また,遊びに来てね♡