こんにちはまたゴリです。今日は翻訳するときに悩むことの多い「検討」について検討してみたいと思います。
「検討」を訳す
次の文章を英訳してみます。
1. 薬剤Aの有効性及び安全性を検討した。
2. AをBに修正することを検討してください。
3. Aをどのように活用するか会議で検討した。
4. 一晩じっくり検討してください。
全部「検討」ですが,1番から順番に考えていきましょう。
1. 薬剤Aの有効性及び安全性を検討した。
有効性と安全性を「検討」とくればメディカル翻訳の分野ではこれで決まりです。
検討 = evaluate
ですから訳としては,
1. The efficacy and safety of Drug A were evaluated.
2. AをBに修正することを検討してください。
次に順番通り2番を”検討“してみます。
2番の「検討」はAをBに修正するということを「考えてみて」ということですから,
検討 = consider とできそうです。
そこで訳は,
2. Please consdier revising A to B.
というところでしょうか。
3. Aをどのように活用するか会議で検討した。
3番の「検討」は会議でとありますので考察や議論のような意味でしょうか。
ということで,
検討 = discuss でどうでしょう?
これで訳すと,
3. We discussed, at a conference, how to utilize A.
4. 一晩じっくり検討してください。
Last but not least※ 4番にはピッタリの表現があります。
4. You can sleep on it.
NZで寝具のコマーシャルの最後に♪You can sleep on it って言っていました。
ナイスダジャレ!
この場合,
検討 = sleep on でしょうか。
※ねえねえ博士,なんかゴリさん急にLast but not least なんてぶっ込んできたけど,これどういう意味?
これは順番に何かを紹介してきて最後のものを紹介するときに使うんじゃ。「大切なことを言い忘れてたけど」とか「最後になってしまったけど」という意味で,ニュアンスとしては「最後になったけど重要度が低いわけじゃないよ」って感じじゃろうか。
最後に
1~4番以外にも examine, investigate, study, think over などが使える場合もあります。
ここまで一口に「検討」といっても文脈によっていろいろな意味があるということをみてみました。
翻訳の現場ではリアルに困る問題ですので,翻訳に出す原稿を書かれる方はあまり「検討」を使わない方向で考えていただけると大変助かります^^
とうちのゴリが申してますので,ぜひ「ご検討」を。
ミイラ取りがミイラ!!