今回のテーマはリスニング。4技能(読む,書く,聞く,話す)の中でも一番むずかしいと感じている方もいらっしゃると思いますが(僕はそうです),今回はなぜ難しいのかを考察して,解決策を模索していきたいと思います。
なぜリスニングは難しいのか
脳科学的に幼少の頃に音に馴染んでいないとその音に対する感受性が低下する(例:LとRの発音が同じに聞こえる)。
とかいうのは脳科学の専門家ではないのでわかりません(キッパリ!)。
また,言語学とか音声学とかもわかりません。
じゃあ,もうこのテーマを諦めた方がいいんじゃないかな?
でも一応英語を使うプロの端くれですし英語学習者でもあるので今日はそういう視点から英語聞き取れない問題について考えていこうと思います。
そう,じっちゃんの名にかけて!
誰だよ!
では本題に入っていきましょう。
聞き取れない要因その1-知らない
別の記事でも書いたのですが,電話越しに「フェムトセル」を説明したことがありました。「エフ イー (fe)のフェ,虫のム,トマトのト,細胞のセルです」なんていい方で一生懸命説明したのですが,やはり知らない単語を電話越しに聞き取るのは相当難しい。
つまり,根本的に知らない単語やイディオムは聞き取れない,または聞き取りにくい。実はこれが聞き取れない原因の相当程度を占めているのではと考えています。
聞き取れない要因その2-思っている発音と違う
いきなりですがこれををお聞きください。
さて,何と言っているか聞き取れたでしょうか?
正解はこのように言っています。
▶解答を表示する(クリック)
He must have done that.
では,もう一度聞いてみてください。
今度はどうでしょう?
まだ聞き取れなかったという方はおそらく「期待している発音」と「実際に発せられている発音」が違うのかもしれません。
日本で普通に学習していると must have がこのように発音されると期待します。ところがネイティブが普通に話すと上の発音になることが多いと思います。
何が起きているかというと h の音が脱落し,かつ t と a が連結して「マスト・ハヴ」ではなく「マスタヴ(mustave)」のようになっています。
また,なまりや方言なども難しいです。全く別の意味に聞こえたりもします(有名どころではI came here today. はオーストラリアやNZの英語では I came here to die.といっているように聞こえるなど)。
この「思っている発音と違う」というのも映画などであまりの聞き取れなさに途方に暮れる大きな要因となっています。
体験談だね!
悲しいけど,その通り!
聞き取れない要因その3-速さについていけない
単語が全部聞き取れたとしても理解ができない場合もあるでしょう。
これは数値に多いと思います。
One billion, two hundred and seventy five million, .
これを頭で10億,275✕百万だから....えっと,2億7500万。ということは12億7500万ねって思っているうちにもう置いてけぼり。
また,要因その1とも関連しますが,知らない単語やうろ覚えの単語の意味を少し考えただけで話が先に行ってしまう,なんてこともあります。
ここまでで要因はわかったけど,対策みたいなものはあるの?
要因ごとの対策
さて,それぞれの要因に対する僕なりの対策を考えてみました。
「要因その1-知らない」に対する対策
これはもう知識を増やすしかありません。
The question is not what to do but how to do it!
ゼブラくんの言う通り。「問題は何をやるかではなくどうやってやるか」。
単語やイディオムの知識を増やすために僕がやった方法は「3回リーディング」です。
これは文字通り同じ文章を3回読むということですが,1回ずつ目的が違います。
1回目は,ざっと読んで内容を把握する練習 + 単語を調べて暗記
2回目は,精読 + 単語の復習
3回目は,1回目よりも速く正確に読む練習 + 単語の復習
という感じでやっていました。
この方法だと知らない単語を覚える機会が3回あり,文脈の中で覚えることもあり単語帳などよりも定着率が上がります。
「要因その2-思っている発音と違う」に対する対策
要因2対策としては「ルールを知ること」と「真似ること」が効くんじゃないかと思います。
どこでそういうの教えてくれるの?
発音の本などもあるようですが,僕はYouTubeをおすすめしたい。無料ですし。
最近はいろいろなネイティブYouTuberさんがいますが,僕が好きなのは「ニック式英会話」というチャンネルです。
映画などを題材に脱落や連結といったネイティブ発音で起きる現象を”日本語で”丁寧に教えてくださっています。
そしてYouTubeであればその場で「真似ること」もできます(電車で急に英語をしゃべりだすとかは周りがビックリするのでやめておきましょう^^)
自分で発音できることが聞き取れないはずがないので,こういった練習を数多くこなせば字幕なしで映画も夢じゃない。
ゴリさんが練習してるとこあんまり見たことないけどね。
しっ~!ダメだってそれ言っちゃ(^_^;)
「要因その3-速さについていけない」に対する対策
要因3対策は「多読」と「多聴」でしょう。
多読では「簡単なものをたくさん」,「決して訳さず」,「前から読んで前から理解する」ことが大切です。
多聴もやはりYouTubeがおすすめです。無料ですから。興味のある分野のチャンネルを見まくろう!
ちなみにゴリさんはテニスと宇宙に関するチャンネルをよく見てるよね。
まとめ
今回はリスニングについてその難しさの要因と対策について書いてみましたが,いかがだったでしょうか?
YouTubeの登場によって無料で発音などが学べる時代になりました。せめてあと20年早く今の状況が実現していれば今頃僕は...
それはないね。だってさっきも言ったけど結局リスニングや発音,あんまり練習してるとこ見たことないもの。
バックブリーカー並に話の腰を折られてもう立ち上がれないorz