できる!英作文その9-原級による最上級に近い表現,比較級による最上級の表現



今回は「状況はこれまでで最も切迫している。」というお題を使って,原級,比較級を使って最上級を表現する方法というテーマに英作文に取り組んでいきます。

 

目次

 

この記事の流れ

この記事ではまず英作文のお題を1つ提示します。

次に間違えやすいポイントを盛り込んだ「解答例(たたき台)」をお示しし,それを添削していきます。

最後に添削を踏まえた英訳例をお示しします。

注:英作文や英文ライティングの正解は1つではありませんので,英訳例はあくまで1例に過ぎないと考えてください。

英訳例を見る前にぜひご自分でも英作文にトライしてみてください!

 

今回のお題

「状況はこれまでで最も切迫している。」

 

解答例(たたき台)

The situation is the worst ever.

 

添削と解説

「解答例(たたき台)」の改善ポイントをそれぞれ解説します。

 

The situation is the worst ever.

最上級 + ever の ever は最上級を強めて「これまでで」という意味を付加します。

 

会話でも試験でも「切迫している」という単語が出てこなければ worst は正解ではありませんがチョイスとして悪くないと思います。

でも,もっとピッタリの単語があります。

それは,dire です。

WordNet という英英辞典によると

dire = fraught with extreme danager

ということで..

ちょっと待って。fraught もわからない。

fraught = full of(いっぱい)

で,

fraught with danger = 危険をはらむ

という意味になります。

 

以上を踏まえてまずは,

The situation is the worst ever. →The situation is the most dire ever.

とします。

 

原級で最上級

ここからが本日のメインテーマの1つ「原級による最上級に近い表現」になります。

解答例では最上級を使っていましたが,原級でも最上級に近い意味を表現することができます。

どうやって?

原級 A is as ~ as B は「A と B が~において同等」であることを示すのでした。

そこで B に「どれをとっても」という意味を込めることができれば「Aはどれをとってもそれと同等」となり”ほぼ”※最上級となります。

(※「ほぼ」というのも,どこまでいっても「同等」のため1番であることは間違いないとしても複数ある1番の一つになるためです。)

 

これを表現するための B が any です。原級比較と組み合わせて,

as ~ as any (other) + 単数名詞※

となります。

※ other が入るときと入らないときがあることに注意:
○ other が入るとき
Mt. Fuji is as high as any other mountain in Japan.

ここから other をとって any mountain in Japan とすると Mr. Fuji も含まれてしまうため 「その他の」を意味する other が必要です。

 

○ other が入らないとき

Mt. Everest is as high as any mountain in Japan.

ここで any other mountain としてしまうと Mt. Everest が日本の山に含まれるという解釈になるため other を入れてはいけません。

 

ここがポイント! 最上級は as ~ as any (other) + 単数名詞で"ほぼ”同じ意味に書き換え可能
ただし,other の有無に注意

 

なるほど理屈はなんとなくわかるけど,例文かなにかで確認させて。

では例文を。

He is as tall as any other student in this class.

この文は,He は このクラスの any other student(他のどの生徒)と比べても同等の身長であることを示しています。

つまり,このクラスの He 以外の生徒の中で一番身長が高い人と比べても同等ということです。

 

これを今回のお題に当てはめたいところなのですが,A is as ~ as B において A と B は「同じ種類のもの」でないといけません(例:He は student)。

そこで B の位置に any situations in the past(過去のどの状況より)を入れれば良いのですが,この短い文に situation を2回言うのはちょっとね,という感じがします。

 

そのためちょっと工夫して,as ~ as at any time in the past としてみます。

これで situations は省略して at any time ということによって situations を使わずに「どの時期(の状況)」を表現することができます(本来は situations at any time in the past ですが,この位置の situations は省略可能です)。

そして時期を「過去全部」とするため in the past をつけてそれを明確にします。

 

これで完成したのがこちら。

The situation is the worst ever. →The situation is as dire as at any time in the past.

 

 
上で説明した ever を使って,as dire as ever でも良さそうな感じですが,実は as ~ as ever は「相変わらず~」という意味になってしまうので要注意!
 

比較級で最上級

さらに,比較級では最上級をそのまま表現することができます。

 

1. 比較級 than any (other) / ever (before)

一般的には,

最上級 = 比較級 than any (other)

が成り立ちます。

 

ここでは原級のところで説明した at any time in the past を使って,

The situation is more dire than at any time in the past.

と表現できます。

 

また,than ever (before) と than の後ろに上で説明したever (before)をつけることで「これまでよりも上」ということになり,「これまでで最も」と同じ意味を表現することができます(before は入れても入れなくてもOK)

これを使って書いてみると,

The situation is more dire than ever (before).

となります。

 

2. 完了形 + never + 比較級

さらに,完了形 + never + 比較級でも最上級の意味を出すことができます。

たとえば?

I have never seen a more beautiful sight than this.

→これより美しい景色を見たことがない

なるほど。これより美しい景色を見たことがないってことは「自分が見た中でこれが一番美しい景色」ということか。

ご名答!

 

この考え方を当てはめると,

The situation is the worst ever. → The situation has never been more dire.

とすることができます。

ここがポイント! 最上級は
○ 比較級 + any (other) + 単数名詞
○ 完了形 + never + 比較級
で書き換え可能

 

英訳例

The situation is more dire than ever.

 

まとめ

今回はお題を使って,原級,比較級を使って最上級を表現する方法というテーマに取り組みました。日常生活では表現したい方を使えばいいじゃね,と言われればぐうの音も出ませんが,試験などには役に立つんじゃないかと希望的観測で思っております^^

 

あとがき

ではまた次回もお越しくださるのを楽しみにしています。

最後まで読んでくれてありがとう!!また,遊びに来てね♡