今回は say と tell の用法と使い分けについて解説します。
どっちも「言う」だけど,意味や使い方が違うってこと?
その通り!
目次
- say と tell の意味の違い
- say または tell のどちらかしか使えない場面
- I am said to 不定詞 ○ / I am said that ✗
- I am said to 不定詞 / I am told to 不定詞 / I am told that の意味
- あとがき
say と tell の意味の違い
Definitions(定義)
まず,say と tell の definitions をみてみましょう。
say = to express something in words
tell = to give information to someone
かくして謎はより深まるのであった。
えっと,確かに謎が深まった感は否めないのですが,その謎を解き明かすためにも上の”定義”を日本語にしてみます。
say = 何かを言葉で表現する
tell = 「誰かに」情報を与える→「教える」というニュアンスがある
これらを踏まえて例文をみていくことにしましょう。
例文
say
1. The reporter said that a kitten was trapped in a pipe.
(レポーターは子猫がパイプに詰まっていると言った)
2. He said to me that his car was expensive.
(彼は僕に彼の車は高級だと言った)
tell
1. He told me that I should practice more.
(彼は僕にもっと練習すべきだと言った)
2. He told me that his car was expensive.
(彼は僕に彼の車は高級だと言った)
say と tell の2番は同じ意味だけど?
say は to someone と to をつけることで「~に言う」することができます。
to をつけたらどちらでも同じじゃない?
ところがどっこい,どちらかしか使えない場面もあります。
say または tell のどちらかしか使えない場面
次のカッコには say と tell のどちらが入るでしょうか?
1. ( ) something!(何か言ってくれ)
2. ( ) me why. (なぜだか言ってくれ)
これはわかるよ。2番には to me じゃなくて me が入っているから tell. 1番はまあゴリさんのことだから同じやつは入れさせないので say でしょ?
正解。(1番の解答の導き方はいかがなものかとは思うよ^^)
実はゼブラくんはいい線を行ってまして,1番も同じ理屈で say と確定できます。
つまり,tell であれば直接目的語(SVOOのOで,me とか him とかです)が必要となりますので,それがない1番は say が正解となります。
一方,間接目的語(SVOOの2つ目のO)はなくてもよいので,
Tell me. ということはできます。
I am said to 不定詞 ○ / I am said that ✗
tell では,
I am told to 不定詞 も
I am told that も
両方○です。
それぞれ能動態にすると,
(Somebody) tells me to 不定詞....
(Somebody) tells me that ....
とどちらも成立します。
※(Somebody) は told (by ~) がないため仮に置いています。
一方,say では
I am said to 不定詞 は○ですが
I am said that とはいうことができません。
それぞれ能動態にしてみましょう。
(Somebody) says me to 不定詞....
(Somebody) says me that....
あれれ,これは me の前に to が抜けているから✗だよね?
そうなのです。
どちらも文法的に成立していないのです。
それでも I am said to 不定詞 はOKなんだよね?
それが不思議なのです。文法的に言えば間違っています(と思います)。
なにかの間違いで言えるようになっちゃった,としか言いようが...
たとえば「早く来すぎた」という日本語は実は少しおかしい。つまり,「すぎた」のは「早く」であって「来る」ではないはずで本来「早すぎて来た」とかになるはず。でも誰も「早く来すぎた」がおかしいなんていいませんよね。
言葉は生き物なので必ずしも文法に従わないこともあるということで。
「ということで」じゃないよ!完全に説明諦めているじゃん!
ごめん。文法的にはなぜだか本当にわからないのよ。
I am said to 不定詞 / I am told to 不定詞 / I am told that の意味
I am told that
まず,ちょっと毛色の違う I am told that からいきましょう。
例文:I was told by him that my car was nice.
まず,これを能動態にしてみます。
He told me that my car was nice.
これの意味は「彼は僕に僕の車をいいねと言った」です。
これを受動態にすればよいので,
「僕は彼に僕の車はいいねと言われた」となります。
結局,I am told that は
「僕/私は that 以下と言われる」
ということになります。
I am said to 不定詞 / I am told to 不定詞
これはズバリ,同じでしょ?
もう,ゼブラくん,フリが上手。
同じではないので注意して!
それを例文で確認しましょう。
例文:
1. I am said to be careful.
2. I am told to be careful.
意味はそれぞれ,
1. I am said to be careful.は
「僕は慎重だと言われている」
2. I am told to be careful.
「僕は慎重であれと言われている」
つまり,said はただ「そう言われている」なのに対し,told は「~するよう(であるよう)言われている」というある種命令形のような言い回しです。
本当だ全然違うね。これは気をつけないと!
また,どちらも said/told to 一般動詞(be動詞じゃなくて)は可能です。
しかし,said to の場合には「~だと言われている」という文脈にあった動詞しか普通は入りません(I am said to have a tendency to「僕は~する傾向があると言われている」は○,I am said to go there「僕はそこに行くと言われている????」は✗)
一方,tell であればほぼ動詞を選びません(I am told to have a tendency to「僕は~する傾向を持つようにと言われている」は○,I am told to go there「僕はそこに行くようにと言われている」も○)
あとがき
いかがだったでしょうか?
テストなんかでは「I was ( ) that XXXX のカッコに tell または say のどちらかをふさわしい形にして入れなさい」みたいな問題がありそうな感じです。過去分詞さえ知っていればどちらかわからなくても二択ですが,この記事を読んだあなたにとってはもうサービス問題ですね。
出た,自画自賛!!!
最後まで読んでくれてありがとう!!また,遊びに来てね♡