今回は前回に引き続き前置詞 On シリーズの後編をお送りします。
目次
On の用法-前編の続き
まず前編のおさらいからまいりましょう!
前編では,
○ On の基本イメージは「接触」
○ 派生の意味は「接触」からスタートして考えるとよい
というポイントを確認しました(前編はセクション1-4)。
では早速 On を探る旅の続きを始めましょう。
2人とも用意はいい?
いいよ。
ちょっと待って,今おやつ食べてるから。
5. 支え/根拠の On
床にせよ壁にせよ何かを支えるときは当然接触していなければ支えることはできません。このことから「何かが支えになっている」「根拠になっている」などを表すのにも On が使われます。
5-1 I live on a pension.
5-2 I bought it on his advice.
5-3 I have to get there on foot.
pension ってあのペンション?
そうそうペンション収入で...というのは冗談で,これ実は「年金」という意味。
5-2は 「his advice(彼のアドバイス)を支えてして」ということから「彼に勧められて」というような意味になります。
5-3の on foot は foot に「足」だけでなく「歩み(走ること)」という意味がありますので「歩みに頼る」→「徒歩で」という流れで理解できます。
ということでそれぞれ次のような意味になります。
5-1 私は年金暮らしです。
5-2 それは彼に勧められて買いました。
5-3 そこに歩いていかなきゃならない。
6. 最中の On
ある状態に接触していることから「~している最中/~中」を表します。
6-1 I am here on business.
6-2 Our products are on show.
6-3 We are going to go on a picnic.
6-1は「仕事に接触して」ということから「仕事で/商用で/ビジネスで」となります。
6-2は show に「見せること/展示すること」という名詞の意味がありますので,on show で「展示中」という意味になります。
6-3は「ピクニックに接触して行く」→「ピクニックに行く」という流れ。
6-1 ここには仕事できました。
6-2 当社の商品を展示中です。
6-3 ピクニックに行くところだよ。
7.「~を使って」の On
「~を使って」という前置詞は with, by など他にもありますが on との違いはまた別の記事でご紹介しようと思います。
On の場合の「~を使って」は”手で持ってブンブン振り回す”ような使い方ではなくて,それを媒介にするという感じ。
いずれにしても”接触”という感覚から媒介というもさほど遠くはないと...
...思っていただけるとありがたい!
7-1 The music was played on a piano.
7-2 The document was written on a computer.
7-1はピアノに接触(=媒介として)演奏したという感じ。
7-2はコンピュータに接触(=媒介として)書いたという感じ。
ということでそれぞれ次のような意味になります。
7-1 その音楽はピアノで演奏された。
7-2 その文書はコンピュータで書かれた。
8. 不利益の On
ねえねえ,遊んで。
ルーちゃん,ごめんね。料理中だからスリスリしてると邪魔なのよ。
とこういった感じで,”接触”されていると邪魔だったりするときがあると思います。
また,”接触”が不快なときもあると思います。
不利益の On はこのように考えると理解しやすいのではないかと思います。
8-1 Don't blame it on me.
8-2 Don't turn your back on me.
8-3 It's on me.
8-1は不利益の On といったときよく出てくる例文です。blame(~を責める,~のせいにする)されるのは me にとって不利益ですので on me となります。
8-2の on me も8-1と同じです。turn one's back on についても下のメモをご覧ください。
8-3は「支えの On」かなという気もしますが,守銭奴な僕にとっては...
8-1 私のせいにしないで。
8-2 僕を見捨てないで。
8-3 ここは僕のおごり。
turn one's back on は「~に背を向ける」ということですが,そこから派生して「~を無視する」「~を見捨てる」というニュアンスでも使えます。
これは日本語とほぼ同じですね。
9. 「~に関する」On
さてとうとう最後になりました。
この「~に関する」On は話題に”接触”するという感覚で捉えるとわかりやすいです。
9-1 This is a book on the history of science.
9-2 Important notice on the use of this facility
9-1も9-2もどちらももうこの用法そのままです。
9-1 これは科学の歴史に関する本です。
9-2 この施設の利用に関する重要なお知らせ
10. 「続ける」On
もういい加減終わりにしたいところで急に「続ける」On って言われても,とおっしゃる気持ち,わかります。でももうちょっとだけお付き合いお願いします^^
時間的に接触していると「し続ける」ことになります。そこから比喩的に派生した意味も発生します。
派生(はせい)...発生(はっせい)...ここにきてまさかダジャレをぶっこんでくるとは!
10-1 This road goes on and on.
10-2 Let's move on to the next slide.
10-1は go on だけでも「~し続ける/進める」という意味がありますが,on and on とくればもうそりゃ大騒ぎさ。
10-2は今のスライドから続いて次のスライドへというニュアンスです。
10-1 この道はどこまでも続いている。
10-2 さて,次のスライドに移りましょう。
後編のまとめ
2回にわたってお届けしてきました On のお話ですが,完全攻略といっておいてなんなのですが,きっと抜けもれもあります。
え~~~~~,詐欺じゃん!
し~,人聞き悪いから!
でも今回ご紹介しきれなかった用法に出会ったとしても On ="接触”を覚えていればきっとなんとかなるはず(キッパリ!)
というわけで後編のポイントまとめです。
あとがき
いやはや,軽い気持ちで書き始めたのですが超大作になってしまいました^^ すべてをカバーできなかったかもしれませんが,On ="接触”でなんとかなるはず(2回目)。ほら突然,We are cutting down on costs って言われてもここまでお読みいただいたあなたには手にとるように意味がわかるはず!
最後まで読んでくれてありがとう!!また,遊びに来てね♡