It's no use crying over spilt milk と「覆水盆に返らず」は似て非なるもの



今回は It's no use crying over spilt milk と「覆水盆に返らず」は実は別物という視点で考察します。

 

よく「覆水盆に返らず」を英語でいうと It's no use crying over spilt milk になります,と言われます。

 しかし少しモヤっとしたものがあったのでいろいろリサーチしてみました。

要するにググったのね。

 

まずWikipediaによると「覆水盆に返らず」は故事成語で語源は大体こんな感じらしいです(詳しくはこちら)。

「偉くなったら帰ってきた元嫁さんに向かって盆からこぼした水を戻してみよと。無理だろと。一度こぼした水は盆には返らんのだよと」

ということでもともとの意味は「後から何言っても無駄じゃね」というようなニュアンスと解釈できます。つまり後悔する場面で使うと。

 

なるほど。じゃあ  It's no use crying over spilt milk は?

 

一方 It's no use crying over spilt milk の方はというとBBCの英語学習者のための動画をで見つけました(ここでは It's no use crying ではなく Don't cry と紹介されていますが意味は一緒です)

www.youtube.com

 

内容はどういう感じ?

 

要するに It's no use crying over spilt milk は「ちっちゃいことは気にするな,それワカチコワカチコ」というようなニュアンスらしいです。

 

えっと,もしかして知らない人もいるかもしれないので言い換えようか。

 

「後悔しても始まらないよ。前向いて行こうぜ」というようなニュアンスらしいです。

 

えっ,じゃあ It's no use crying over spilt milk と「覆水盆に返らず」はまるで逆じゃない?

 

その通りで, It's no use crying over spilt milk は前向き,「覆水盆に返らず」は後ろ向き。

もちろん「覆水盆に返らず」なのだからくよくよせずに次から同じ失敗をしないようにしよう,といえば同じ意味になりそうではありますが,何せ元の意味が「はぁ?今頃何言っちゃてんの?復縁しねーし」なので...

 

なるほどね。でも結局さ,今回の記事は何が言いたいのさ。

 

ここが重要なのですが,「辞書や教科書に載っている」からには確かにその意味はあるのでしょうが,やはりフレーズにせよ,単語にせよ,今回のような諺にせよ,文脈の中で理解し覚える必要があるんじゃないかということなんです。

 

今回の It's no use crying over spilt milk と「覆水盆に返らず」を例にするとどんな感じ?

 

A: I've been fired. What should I do?

B: It's no use crying over spilt milk. You just need to take some rest and go find a new job, right?

 

C: クビになっちまった。どうしよう?

D: 覆水盆に返らずっていうしね。もうすこし頑張るべきだったんじゃない。

 

と例えばこんな文脈で出てくれば, It's no use crying over spilt milk はポジティブ,「覆水盆に返らず」はネガティブな印象かなってわかります。

もちろん別の文脈で違うニュアンスで使われていれば,両方の意味で使えるのかなと思いますし,もしかしたらよく誤用される「役不足」のようなパターンかもしれないなと気づくかもしれません。

 

でもこのブログじゃ文脈がわかるほど前後の文とか書いてないよね。

そこは,ほら,あの...(滝汗)

   

 

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