丁寧な表現の would を使った英作文-「ご出身を伺いたいのですが」など



今回は丁寧な表現の would をテーマにした英作文を題材になぜ would が丁寧表現になるのかを考察します。

 

目次

 

この記事の流れ

この記事ではまず特定の文法テーマに沿った英作文のお題を提示します。

英訳例をお示しして,文法やフレーズの解説を加えます。

英文法の解説として読むもよし,ご自分で英作文の力試しをするもよし,ぜひお役立てください!

 

今回のお題

1. ご出身を伺いたいのですが。

2. 窓開けてもらってもいいですか。

3. 個人的な質問をしてよろしいですか。

 

すべて would を使って表現してください。

 

英訳

1. I'd like to know where you are from.
2. Would you mind opening the window?
3. Would you mind if I asked you a personal question?

 

解説

各問題を詳しくみていく前に would が丁寧な表現になる理屈を少し考えてみます。

 

仮定法過去

そう言えば would って will の過去形だよね?そもそもなんで現在のことを話すのに過去形を使ってるの?

 

実はこれは would が仮定法過去だからです。

仮定法過去はこう考えるとわかりやすいかもしれません。

仮定法過去は未来の視点で現在を見て,現在の事実と違うことをいう

つまり未来の視点だと現在は過去だから形は過去形ってこと?

そう考えるとつじつまが合うよね^-^

 

たとえば一度は見たことのあるかもしれませんが,

If I were a bird, I could fly

という例文で考えてみましょう。

 

未来の視点で現在を見て「I were a bird(僕は鳥である)」という現在の事実と違う仮定をしています(ご存知,僕はゴリ)。

その上で I could fly(飛べるのに) とこれまた現在の事実と違うことを言います。

 

なんだかめんどくさい感じだね?

このめんどくさい感じが「丁寧」につながるのだと考えています。。

日本語だと,

お塩とって→お塩とってもらえますか→よろしければお塩をとってくれると嬉しいです

のように「めんどくさい感じ=遠回しな感じ」になればなるほど丁寧になりますよね。

実はこれと同じ原理じゃないかと思うのです。

 

ではこのことの確認も含めて各問題をみていきます。

 

1. ご出身を伺いたいのですが。

I'd like to know where you are from.

 

1-1. 伺いたい

I like to know であれば「知りたい」ですが,そこに would が入って丁寧になる形が would like to です。

 

If I were a bird, I could fly の If から始まる前半部分を条件節,後半を帰結節といいますが,このお題の場合には条件節が省略されていると考えられます。

 

省略されているのって何?

たとえば,If you didn't mind= 「お嫌でなければ」くらいと考えると,「お嫌でなければ伺いたい」と繋がりますます。

 

そして仮定法の遠回しな感じが丁寧な感じにつながるというわけです(この「遠回しな感じ」は参考書などでは婉曲と呼ばれています) 

 

1-2. 出身

出身を your country of origin とする方法もなくはないですが,国内で出身都道府県を聞くときには your prefecture of origin だったり変更しなくてはいけませんし,何より響きが formal 過ぎる感じがします。

 

そこで一般的に”軽い感じ”で表現したいときは,単語→節の変換が有効。

「出身」でいうと「出身」→「どこからきたのか」という変換になります。

 

英訳では where you are from としていますが,where you come from でもOK。

 

As you know, I am from Africa.

 

2. 窓開けてもらってもいいですか。

Would you open the window?

とした方もいらっしゃると思います。

これも大正解です。

 

Would you mind ~ ing

この記事では Would you mind を英訳例として出していますのでこちらの解説とまいります。

 

問題はこの mind にありとみた。

うん,正解!

 

まず Would you ~ は Would を使っていることから Do you ~よりも丁寧な表現ということになります。

 

mind は目的語として動名詞(~ing)をとります。

そして問題なのはその意味です。

 

動詞の mind = 気にする(嫌だと思う)

 

この mind を訳し出すと Would you mind opening the window? は,

「(もし僕が頼んだとして)窓を開けるのは嫌ですか

となります。

 

カッコ()内は何?

カッコ内は想像上の条件節,つまり If で始まる節があるとすれば,ということですので実際の訳としては出ません。

 

「窓を開けるのは嫌ですか」は「窓を開けてもらっていいですか」の意味を「遠回し(婉曲)」に表現していて丁寧な表現ということになります。

 

ところで自分で正解しておいて聞くのも何だけど,この mind の何が問題なの?

これは答え方がポイントで承諾する場合(つまり窓を開けてあげる場合),

Not at all No, I wouldn't

となります。

 

承諾なのに No なんだ!

Would you mind が「嫌ですか」なので承諾は「嫌じゃない」つまり Not at all(全然[嫌じゃない])や No, I wouldn't(いいえ,嫌じゃないです)となります。

 

不許可の場合は Yes としますがさすがに,

Yes, I would(はい,嫌です)とはなかなか言わないと思いますので,

Sorry, but yes. I feel cold.(ごめんなさい,それはちょっと。寒いので)

くらいでしょうか。

 

3. 個人的な質問をしてよろしいですか。

Would you mind if I asked you a personal question?

おっとなんと芸のない。もう一回 Would you mind が来ちゃったよ。

まあまあ。これにはちゃんと意図があるのさ。

 

今度は Would you mind if の形をみてみます。

3-1. Would you mind if I asked

押しも押されもせぬ仮定法の形です。

「僕が質問したら嫌ですか」→「質問してもよろしいですか」という感じです。

 

if I asked の asked は仮定法過去の用法です。

 

一方, Do you mind if と始めた場合はただの現在形なので,

Do you mind if I ask ....

と現在形になります。

 

うん,そうだよね。で,何が問題なの?

実は「文法上は間違いだけど普通に使ってるよ」というのがあって,

Would you mind if I ask ....

と条件節が現在形の形も普通に使われているようです。

 

ただ if I asked という仮定法過去が文法的に正しく,言うまでもなくこちらも使われていますので自分で使うときは文法的に正しい方がいいかなと思います。

 

3-2. Would you mind my/me asking ...

この Would you mind if I asked は別の形に書き換えが可能です。それがこの

 

Would you mind my/me asking ...

 

です。

my/me って何?

これ実は my でも me でもOKということなんです。

 

 

ちょこっとメモ

重箱の隅をつつくような話ですが文法的な解釈をすると,

Would you mind my asking ...としたときは asking が動名詞として,
Would you mind me asking...としたときは asking が(meを修飾する)現在分詞として使われていると考えられます。

 

 

my/me が入らないとどうなるの?

my/me が入らないで Would you mind asking you a question? とすると「伺ってもいいですか」ではなく「あなた(自身)に質問していただけませんか」というような意味不明の内容になってしまうので注意してください。

 

まとめ

ちょっと長くなってしまいました。今回のまとめはこちら↓

今日のポイント! ○ 仮定法過去は未来の視点で現在を見て,現在の事実と違うことをいう
○ 仮定法が遠回し(婉曲)となって丁寧な表現に
○ Would you mind は「嫌ですか」なので承諾は No になる
○ Would you mind if I asked が文法的には正しい
○ Would you mind my/me asking の形

 

あとがき

いかがだったでしょうか?
一旦覚えてしまったら仮定法がどうのではなく would で丁寧な感じと覚えておけば十分使えると思います。

最後まで読んでくれてありがとう!!また,遊びに来てね♡