えっ、これも should を使って表現するの?!という英作文



今回は should を使った英作文に挑戦!の後編です。
英作文というよりはかなり文法よりの内容になっています。

 

 

目次

 

この記事の流れ

この記事ではまず特定の文法テーマに沿った英作文のお題を提示します。

英訳例をお示しして,文法やフレーズの解説を加えます。

英文法の解説として読むもよし,英作文の力試しをするもよし,ぜひご活用くださいませ!

 

今回のお題

1. 万が一小惑星(asteroid)が地球に衝突したらどうなるの。

2. 彼が怒ったとしても無理はない。

3. 彼女があんなことをいうなんてびっくり仰天だ。

4. 彼はその商品は返品した方がいいんじゃないと言った。

 

*すべて should を使って表現してください。

 

英訳

1. If an asteroid should hit the Earth, what would happen?
2. It is natural that he should get angry.
3. It is surprising that she should say such a thing.
4. He recommended that the product (should) be returned.

 

解説

前編がまだの方はこちらからどうぞ。

englishluke.com


それでは各問題の解説にまいります。

 

1. 万が一小惑星が地球に衝突したらどうなるの。

If an asteroid should hit the Earth, what would happen?

 

1-1. If S should V= 「万が一Sが~」

この If S should V(S:主語,V:動詞)という形は「極めて実現の可能性の低い仮定」を表しますが,絶対に起こり得ないことを表すことはできません。

 

小惑星が地球に衝突するなんてことないんじゃないの?

過去にはあったと言われているよ。恐竜を絶滅に追いやったのは小惑星の衝突が原因ってね。二度あることは三度ある。可能性はとても低いだろうけどね。

 

この場合の should は必ずしも仮定法過去というわけではないため,帰結節(後半)は will などの助動詞の現在形命令形を使うこともできます。

 

If anything should go wrong, I will fix it right away.

(万が一何か不具合があったら,すぐに直す)

 →不具合の可能性は低いと思っている

 

If he should call me, let me know.

(彼から電話があったら教えてね)

 →電話がかかってくることはなさそうだと思っているけど一応念の為

 

もうひと押しじゃ!

ワシからも一つ追加させておくれ。

 

この If S should V は If を省略することができるんじゃよ。

その場合倒置が起きて,

 

Should S V

 

の語順となるんじゃ。

If an asteroid should hit the Earth, what would happen?

   ↓

Should an asteroid hit the Earth, what would happen?

 

この倒置は書き言葉的ではあるけれど一応覚えておいておくれ。

ワシからは以上じゃよ。

 

1-2. the earth か the Earth か Earth か earth か

元は小文字(lowercase)の the earth があったらしく,やがて the Earth が出てきて,ついに他の惑星にならって大文字(uppercase)の固有名詞としての Earth が出てきたということらしいです。

 

そんな語源はともかくどれを使うのが正しいの?

結論からいうと地球という意味では earth 以外の3つが使えます。

the のつかない小文字の earth は「土(つち)」です。

 

残りの3つも少しニュアンスの違いがあって,

the earth と the Earth はほぼ同じ「(我らが)地球」

Earth は「(Mars,Staturnなどと同じ一つの惑星としての)地球」

くらいの差です。

 

ただし,惑星としての地球と言いたいときに the Earth といっても通じるようです。

 

2. 彼が怒ったとしても無理はない。 

It is natural that he should get angry.

 

この should はいったい何???

 

2-1. 推定の should

この should は「推定のshould」と呼ばれている用法です。

これは話し手が「彼が怒っているいるかどうかは知らないけれど怒っているとしても無理はない」ということを表します。

なるほどそれで「推定の」should ってわけね。
じゃあさ,彼が怒っていると知っているときはどうするの?

 

知っている場合には should + 動詞の原型ではなく(現在の話であれば)現在形を用いて,

It is natural that he gets angry.

となります。

意味の違いを出すとすると「怒ったとしても」ではなく「彼が怒るのも無理はない」くらいになるでしょうか。

 

2-2. It is ~ that

これは 形式主語の構文です。形式主語についてはこの記事で詳しくご紹介していますのでよろしければ併せてお読みください。

englishluke.com

 

2-3. 無理はない

ここでは「無理はない」→「当然だ」と解釈して natural を使っています。

 

他にも次のような表現もできます。

It is understandable that
It comes as no surprise that

 

3. 彼女があんなことをいうなんてびっくり仰天だ。

It is surprising that she should say such a thing.

これも「推定の」should?

実はこれはそれとはちょっと違うのよ。

 

3-1. 感情の should

これは「感情のshould」と呼ばれ,驚きや喜びなどの感情を強調する用法です。

今回のお題は It is surprising that と It is ~ that 構文を使っていますが必ずしもこの構文でなくても,

I am surprised that she should say such a thing. としても同じ意味を表すことができます。

 

「びっくり仰天」は「とてもびっくりした」でしょ?でも英文には「とても」がないじゃない?

まさにここが「感情のshould」と呼ばれる理由で感情を強調するためそのまま「とても」の意味を込めることができます。

 

なるほど。
それとこの「感情のshould」を入れない場合との差は?

should を入れず,

It is surprising that she says such a thing.

となります。

日本語にすると「彼女があんなことをいうのは驚くべきことだ」くらいになります。

 

違いは出にくいですが,should が入ると主観的(自分が驚いた)であり,入らないと客観的(一般的に驚くべきこと)になります。

 

なるほど。主観的か客観的かの違いね。

 

4. 彼はその商品は返品した方がいいんじゃないと言った。

He recommended that the product (should) be returned.

 

カッコ()は何?

これはこの should を入れても,入れなくてもいいっていう意味です。そこも含めて詳しくみていきましょう。

 

4-1. 提案,命令,要求における should

この用法は,

demand, order, suggest, recommend, advise, insist, require/essential, necessary など提案,命令,要求を表す動詞/形容詞に続く節で should を入れる使い方です。

 

そして主にアメリカでこの should が省略されて仮定法現在とする用法が使われます。

 

仮定法現在?

これは提案,命令,要求を表す動詞に続く節において主節の時制と無関係に動詞の原形が使われる形です。

He suggested that the tournament be canceled.(should be canceled もOK)

 

4-2. Be動詞の例文

一般動詞と用法的にはほぼ同じです。

It is essential that you be present. = あなたが出席することが必須です。

It is necessary that the car be repaired. = その車は修理が必要です。

 

4-3. 書き換え

He recommended that the product (should) be returned.

の意味を変えずに書き換えることができます。

 

He recommended the product to be returned.

He recommended returning the product.

 

動詞によって書き換えられる形は変わりますが,仮定法現在を使わずに表現することも可能ということだけ押さえておいてください。

 

まとめ

さて,今回のまとめです!(多くなってしまいました^_^;)

今日のポイント! ○ If S should V = 万が一SがVしたら
○ If S should V = Should S V(Ifを省略すると倒置)
○ 推定の should
○ 感情の should(感情の強調 vs should なしの客観的表現)
○ 提案,命令,要求を表す動詞に続く節での should とそれを省略した仮定法現在

 

あとがき

2回にわたってshould の使い方をみてきましたが,いかがだったでしょうか?
書き手としてはたくさんあって大変でした^_^

最後まで読んでくれてありがとう!!また,遊びに来てね♡