仮定法過去-基礎編(仮定法のイメージと形を確認しよう)



あるネイティブの方がこんなことを言っていました。「私のお父さんは If I won a lottery とは言わずに If I win a lottery と言うんだよ」と。
この記事を読めばこのお父さんがどういう気持ちで宝くじを買っているかを読み取ることができるようになります!

いやいや、仮定法過去がわかるようになる記事書いてよ!

大丈夫。仮定法過去もわかるから。

仮定法はついでかい! 

 

目次

 

仮定法過去のポイント

まず初めに仮定法過去で押さえるべき2つのポイントをご紹介します。

仮定法のポイント!
○ 見た目は過去、中身は現在、その名は仮定法過去!
○ 仮定法は「妄想」を表現する!

 

では各ポイントを詳しくみていきましょう!

 

見た目は過去、中身は現在、その名は仮定法過去!

仮定法過去の形

まず初めに仮定法過去の基本的な形を確認しましょう!

 

If 主語 + 動詞の過去形, 主語 + 助動詞の過去形 + 動詞 

 

これが基本形です。

動詞は主節(Ifの節)も従属節(後ろの節)も過去形ですが、これで現在のことを述べています。

 

ちょっと待った!すまし顔で「これが基本形です」とか「現在のことを述べています」とかいわれても全然イメージできないんですけど!

ごめんね。じゃあ次に例文をみていこう!

 

If I were a bird, I could fly.

これを上の基本形に当てはめると....あら不思議。ピッタリ当てはまります。

そして意味は「もし僕が鳥だったら飛べるのに」と現在の話です。

 

なるほど、If + 主語 + 動詞の過去形....ってこの例文間違ってるよ。I だから were じゃなくて was になるんじゃないの?

ここが厄介な点ですが、仮定法過去ではbe動詞の過去形として基本的に人称(you, I, he/she, they, we)に関係なく was ではなく were を使います。文法的な(言語の歴史的な?)理由もあるのでしょうが、これはもう were を使うと覚えちゃってください。

注:was が使われることもありますがインフォーマルな用法です。

  

あとさ、現在の話なのに過去形を使うのはなぜ?

まさにこの「時制のずれ」が仮定法を難しくしている要因の一つであり、かつ仮定法攻略の最大のポイントじゃないかと思います。 

 

時制のずれ

通常、現在のことは現在形で、過去のことは過去形で表します。

 

うん、だから現在形、過去形っていうんだもんね。

それが仮定法過去では「過去形を使っているのに現在のことを表す」という奇妙な時制となっています。

なぜそんなことになっているのかという文法的な起源ははっきりとはわからないのですが、次のセクションでは「妄想」というキーワードと絡めてこうやって考えたら覚えやすいんじゃないかな、という僕なりの解釈をご説明します。

 

仮定法は「妄想」を表現する!

 

「妄想」って具体的にはどういうやつ?

例えば、

「あーあ 親父がトム・クルーズだったらなぁ(I wish my father were Tom Cruise)*」

のような文がこれにあたります。

*I wish ~の解説は応用編で!(未投稿です)

 

この「妄想」を教科書風にいうと「事実に反する仮定」で、また、事実に反するとまでは言えないけれど「実現可能性が極めて低い仮定」も含まれます。

 

「実現可能性が極めて低い仮定」とは何ぞや?

例えば「突然太陽が消えたら(If the sun suddenly disappeared)」のように可能性が0ではないけどほぼあり得ないような仮定です。

 

 

なるほど。じゃあそろそろ本題の「妄想」と過去形の関係を聞かせてもらおうかな。

なぞの上から目線?!

 

キーワードは「過去は変えられない」です。現在のことを話すのにあえて変えられない過去形を使うことで「現実離れ感」が出てくるんじゃないかなぁと。

「過去は変えられない」→「現実離れ感」→「妄想」....風が吹けば桶屋が儲かる式...

し~!!

 

If I win a lottery?それとも If I won a lottery?

次の2つの文を考えてみます。
1. If I win a lottery, I will build a big house.

2. If I won a lottery, I would donate it all.

 

1番は win となっているので直説法、2番は仮定法。

直説法では可能性は十分あると考えていますので「宝くじが当たったら」と真面目に考えています。


一方仮定法過去は「妄想」=「事実と反する仮定(または可能性の極めて低い仮定)」でしたので同じ「宝くじが当たったら」と訳す場合であってもその真意は「当たりはしないだろうけど万が一にでも当たったら」という気持ちです。 

 

以上、冒頭のお父さんの気持ちの解説でした!

 

ちなみにそれぞれの意味は次の通り(カッコ内は行間の意味です^^)。

1番:「宝くじが当たったらでかい家を建てるぞ(いやマジでマジで)」

2番:「宝くじが当たったら寄付するのに(当たらないから寄付できないけどね)」 

   

 

あとがき

今回は仮定法過去の基礎編でした。なんとかわかりやすく書きたいと思ったのですが...I wish I were a better writer!   

だから今回 I wish って出てないって!