It ~ that 構文を含む文の英文解釈



前回から引き続き On the Origin of Species からポイントがギュッと詰まった良文を引用します。それがこちら!

 

On my return home, it occurred to me, in 1837, that something might perhaps be made out on this question by patiently accumulating and reflecting on all sorts of facts which could possibly have any bearing on it. 

 

It ~ that 構文を含む文の英文解釈

 

 

目次

 

英文のポイント

On my return home, it occurred to me, in 1837, that something might perhaps be made out on this question by patiently accumulating and reflecting on all sorts of facts which could possibly have any bearing on it. 

*文脈上 this question = the origin of species(種の起源)です。

*英文解釈の要点となる部分をアンダーラインと一部赤色で示しています。

 

全文訳

帰国直後の1837年、この疑問(種の起源)に少しでも関連がありそうな各種の事実について辛抱強く蓄積、熟考することでおそらく何らかの理解が得られるのではないかということが思い浮かんだ。

 

単語

今回の注目単語です。

 

make out =理解する

 *この他にも「書き上げる」などの意味もありますが、スラングでは「イチャイチャする」(かなりきわどい意味)という意味もありますのでご注意を(ちなみにNARUTO に出てくる「イチャイチャタクティクス」は Make-Out Tactics と訳されているようです。

 

patiently = 辛抱強く

 *患者というときの patient に「辛抱強い」という意味があり、その副詞形です。

 

accumulate = 蓄積する

reflect on ~ = ~について熟考する

 *reflect には「反射する」という意味もあります。

 

all sorts of = all kinds of

*「あらゆる種類の事実」では少し微妙な響きですので上の訳では「各種の事実」としてます。逆に「各種の」と言いたいときに all types/sorts/kinds を使うこともできます。

 

bearing on ~ = ~との関連

 

各ポイントの解説

ポイント1:On my return home

ここのポイントは次の3つ。

☆ On

☆ my return home

☆ この表現自体

 

それぞれを少し詳しくみてみます。

説明の都合上順番が後先します。

 

☆ my return home

ここでの home は「家」ではなく文脈上「故郷(祖国)」を表して、「私の帰国」という意味で使われています。
「帰国した」場合には もちろん return to my country としてもOKですが、return home とした方が少し感情が入るというかなにかほっとした感じがします。なんというか house と home の違いのような(Home is where the heart is. VS. A house is just a building という感じ)

 

☆ On 

これはいわゆる「接触の On」で何が接触しているかというとそれは時間

上でみた「私の帰国」に時間的に接触しているので、On my return home では「私の帰国後すぐに」(帰国直後に)となります。

 

On の似たフレーズに On my way home というのがありますが、こちらは way(道)に接触しているので「すぐ」ではなく「道で」となり「帰国の途で」あるいは「帰宅する途中で」という意味になります。

 

☆ On my return home という表現方法

 「帰国するとすぐに」を英語で言いたいときにまず As soon as I returned home が浮かぶのではないでしょうか?

もちろん、これも間違いではありませんが、On my return home を使えるノンネイティブはなかなかいないんじゃないかと思いますので、これが使えると少しカッコいいかも。

 

じゃあ、使う!

 

ポイント2:occur to

occur は「~が起きる」ですが、occur to me となると「思いつく/思い浮かぶ」という意味になります。

 

例:An interesting idea occurred to me →「面白いアイデアを思いついた」

 

ポイント3:it ~ that

it occurred to me that ~ の it ~ that は形式主語の構文です。

it ~ that といえば他にも強調構文がありますが、その見分け方は it ~ that をとっても文が成立すれば(並べ替えはOKとして)強調構文、成立しなければ形式主語の構文です。

例:

It is important that you follow the instructions.

 it that を取ると→ important you follow the instructions

    どう並べ替えても成立しないので形式主語の構文

 

It is kindness that makes one strong and brave.

 it that を取ると→ kindness makes one strong and brave.

    このまま成立するので強調構文

 

以前にこの見分け方について記事を書いていますのでより詳しく知りたい方は下のリンクへ Go!

 

englishluke.com

 

ポイント4:could

この could はいわゆる「婉曲(遠まわし)」ではなく、occurred to me との時制の一致で過去形になっています。

 

このように could は can の過去形として過去のことを表すために使われる場合もありますが、現在のことを表すこともあります。

 

You could say that. → そう言えるかもね。

Could be. → かもね。

 

このように can よりも少し可能性の低い現在のこと(婉曲)を表すことがありますので could →過去 と必ずしもならないことに注意してください。

 

ポイント5:possibly

possibly は可能性を示すのですが意味としては、

☆できる限り(最大限)

☆ひょっとすると

☆どうしても~ない(否定文で)

☆一体全体(疑問文で反語的に)

と一見多様です。

 

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....気を取り直しまして^^、一見たくさん意味があるように見える possibly ですが、各意味に通じる「基本イメージ」があります。

それが「すべての可能性の網羅」です。

この観点でそれぞれの意味をみてみましょう。

 

☆できる限り(最大限)

as far as I possibly can

 I can(私ができる)範囲のすべての可能性を網羅していることから「私ができる限り」となります(うまい日本語が浮かばないので possibly の無い場合と同じ訳になってしまっていますが、英語の気持ち的には「そりゃもう出し切りまっせ」という感じです)

 

☆ひょっとすると

That can possibly happen.

「そのことはすべての可能性を網羅して考えると起きる可能性がある」ということから「ひょっとすると起きるかもね」となります。

この意味ではちょっと考えるのではなくすべてを考慮して、ということから可能性の低さを表現することができます。

*可能性が低いということですので上の全文訳では「少しでも」としています。

 

☆どうしても~ない(否定文で)

That cannot possibly happen.

「そのことはすべての可能性を網羅して考えると起きる可能性はない」

 →「それはどう考えても起こり得ないよ」

 

☆一体全体(疑問文で反語的に)

How could you possibly say that?

すべての可能性を網羅して考えてみてもどうしてそんなことが言えるのですか」

 →「一体全体なんでそんなことが言えるの?」

 

どうでしょう?点と点が線でつながったでしょうか?

 

まあ、なんとなく。でも possibly に相当文字数使ったけど大丈夫?

うん、読者の方はついてきてくれるはず!それよりも理解度は「なんとなく」なんかい!

 

あとがき

英文解釈ということもあり日本語訳については翻訳というよりも英文和訳を少しだけこなれさせた感じにしています(←下手の言い訳^^;)

最後まで読んでくれてありがとう!!また,遊びに来てね♡