He made it back safe and sound の文型について



今回は He made it back safe and sound の文型が気になってしまったので自分なりに考えてみたいと思います。
 

今回はカテゴリーとしてはコラムなんだね?

実は普通に「解説記事」としてご紹介するつもりで書き始めたら本当に文型が分からなくて。それで「解説」じゃなくてがんばって「考察」する記事にしようと思ったのでコラムのカテゴリーに入れたのよ。

 
目次

まず意味をみておきましょう。

 

He made it back safe and sound=彼はけがもなく無事に帰ってきた

 

うん、「解説記事」じゃないとしても一応聞いておこうかな、解説。

 

make it back

make it には「うまくやり遂げる(切り抜ける)」や「間に合う」といった意味があります。

I made it!
(やったぞ!)

 

それに back=「(家に)戻って」がついた make it back は「なんとか家に戻る」という意味になります。

 

safe and sound

 

「安全と音」...なんだこれ?

 
この sound は「音」という名詞ではなくて「(身体的・精神的に)健全な」という形容詞。
それで safe and sound は「けがもなく無事に」となっているというわけです。
 

He made it back safe and sound の文型

まず初めに He made it back の文型を考えてから He made it back safe and sound に進もうと思います。
 

He made it back の文型

ぱっと見て SVOC だと思ったのですが、次の瞬間に「あれ?」となりました。その理由は SVOC であれば O=C となるはずだからです。He made it back でいうと it = back ということになります [*Oが主部(意味上の主語)でCが述部(意味上の述語)となる場合もあります。例:He let me do that]。
 

この it って何?

ほんとにねぇ、まったく。

 
この it は go for it の it のように「それ」って言えば「あれ」でしょう、というような英語を話す人たちの共通理解の範疇に入るもので特にこれといった意味があるわけではない it だと考えています。
とはいえ、I made it(やったぞ)の文型はと問われればやはり SVO になります。
翻って He made it back はとなるとやっぱり SVOC か?となるのですが、back したのは He であって何やら分からない it ではないのではないかと。
ここでパッとひらめきました。「そうか、back は形容詞ではなくて副詞なんじゃないか」と。そうであれば副詞は文の要素(S, V, O, C)にはならないので He made it back = SVO で一件落着...
 

したかのように思えたのも束の間、また新たな疑問がわいてくるのであった!

ほんとにねぇ、まったく。

 

He made it back safe and sound の文型

お待たせして申し訳ありません、ようやく本題です^^
He made it back が SVO なのだとしたら、He made it back safe and sound こそは SVOC なのではないかと思いませんか?
僕もはじめはそう思ったのですが、残念ながらこれも SVOC の O=C 問題が引っかかります。すなわち、safe and sound(けがもなく無事に)なのは it ではなく He なんじゃないかと。

ここで似ているけれど別の表現をご紹介します。それは He made it back safely というもの。この文では back と同じく safely も副詞であるため文型には影響せず、この文の文型は SVO になります。
 

うん、でもこれはあくまで He made it back safely  の話だよね?

そうなんだけど、実はこの文と safe and sound という言い回しにこの問題の解決に向けたヒントが隠されてるんじゃないかって思うんだ。

 
実はこれがヒントになってこういう流れなのではないかというものが浮かびました。
1. He made it back safely という言い方があった
2. safe and sound という言い回しがあった
3. 誰かが He made it back safe and sound と誤用しだした
 
仮にこれが当たらずとも遠からずであったとすると、He made it back safe and sound はそもそも文法的に間違っているので文型を解釈することができない、というこの記事のテーマを根本から覆す事態になります。
 
そこでもう一つの解釈として make it を一つの動詞とみなして made it back を came back などと同じと考えたらどうだろうと考えました。こうすれば He made it back safe and sound を SVC とみなすことができます。SVC では S=C ですが、この文では He = safe and sound で理屈は通ります。しかし、やはり make it を 一つの動詞とみなすというはちょっと無理があるんじゃないかと。
 
日本語でもたとえば「ちょっと早く来すぎた」などと言いますが、「すぎた」は本来「早く」に係るので「ちょっと来るのが早すぎた」が正しいはず。でもみんな「早く来すぎた」って言いますよね。

 

 
語学学校(英語ネイティブ)の先生が生徒に「その言い回し、文法的に間違ってるよ」と言われたことがあるという話を聞いたことがあります。
「早く来すぎた」の例のように僕らも普段話すときに”文法的な正しさ”なんて気にしませんよね...という間接証拠を提示してみたりして^^

 

というわけで結論ですが、He made it back safe and sound は文法的には間違っているものの慣用的に使われているので「まっ、いいか」という感じなのではないかと想像します。

 

 

注:このコラムでは He made it back safe and sound の文型について慎重に考察しましたが、あくまで考察の範疇を出ず、文法解釈の正しさを保証するものではありませんので悪しからずご了承くださいませ^^

 

あとがき

もはやただの趣味みたいな記事でごめんなさい^^
次回こそがんばります!

最後まで読んでくれてありがとう!!また,遊びに来てね♡