今回は「ピアノを弾く」と「ピアノで弾く」 を英語で表現してみましょう !
違いは「を」と「で」だけですが、この違いを訳し分けられますか?
この記事ではこの2題の英作文の他、the piano の the はなぜつくのか、あるいは必須なのかという疑問についてもちょっと触れていこうと思います。
目次
今回の問題
次の日本語を英語にしてください。
1. 僕は毎日ピアノを弾いている。
解答:I play the piano everyday.
2. この曲をピアノで弾きたいな。
ヒント:この曲= this piece of music
解答:I want to play this piece of music on the piano.
解説
ではまず各問題の解説からいってみましょう。
問1
1. 僕は毎日ピアノを弾いている。
解答:I play the piano everyday.
これはよくある問題で play soccer に対して play the piano となるよ、というのを聞いたことがあると思います。普通はこう覚えておけばOKで「何で?」という質問は野暮かもしれませんが、ちょっと気になったので後ほど深堀り...中掘り...浅めに掘ってみます^^
ねえねえ、問題は「弾いている」だから I am playing にならないの?
これは和文英訳のときにはよくある間違いで、I am playing は現在進行形ですから「今、この瞬間に動作していること」を指します。
問題は「毎日弾いている」ですので昨日も、今日も、そして明日も弾くということを表現していて、この昨日も、今日も、そして明日もを表すのは英語では現在形になります。
問2
2. この曲をピアノで弾きたいな。
解答:I want to play this piece of music on the piano.
play は1問目の play + the + 楽器 という使い方が有名ですがたとえばこの問題のような、
play + 曲 や
play + 人 + 曲(人に曲を弾く/弾いてあげる)
という使い方もあります。
(彼は1曲弾いた)
Can you play me a Mozart piece?
(モーツァルトの曲を1曲お願いできますか)
上の例文の played の目的語は楽器ではなく a piece of music(1曲)となっています。
下の例文では play の直接目的語として me が、間接目的語として a Morzart piece が来ています。
music は不可算名詞のため数えるときは
a piece of music, two pieces of music
のようにします。
この問題のもう一つのポイントは on the piano。
この on はいわゆる「接触の on」と考えると「楽器は触らないことには弾けないよね」ということで理解できるかと思います。
with the piano はダメ?
with the piano だとピアノをピアノとして弾くというよりもピアノという物体を使って弾くという感じになるため答えばXです。日本語で「ピアノを道具として使って弾く」といわれている感じに似ているでしょうか。
the + 楽器について(おまけ)
基本的には「そういうんだもの仕方がない」というスタンスでOKだと思うのですが、一応調べてみました。
理屈
ロイヤル英文法では play + the + 楽器についてこのように説明されています。
(引用ここから)「これは総称単数の用法とも特定の楽器をさす用法とも考えられる」(ここまで)
この「総称単数」というのは単数形でその種類全体を表す表現です。
(ライオンは百獣の王だ)
Is the tomato a fruit or vegetable?
(トマトはフルーツなの、野菜なの?)
「特定の楽器」の意味はギターじゃく、バイオリンじゃなく、ピアノと楽器を特定しますよということで、そのために定冠詞の the が付くということです。
(スポーツが不可算なのに対し楽器は形がある可算名詞のため楽器だけ総称としての the + 楽器という表現になると考えられます)
「僕はピアノを弾きます」と言った場合にはまさにギターじゃく、バイオリンじゃなく、ピアノということなので play the piano になるということです。
play + 楽器となる場合
オーケストラやバンドなどの場合には the が付かず、
play piano
となる場合があります。
(バンドでピアノを担当しています)
もうネイティブスピーカーならぬ身にはどう解釈したものか途方に暮れるしかないのですが、個人的な見解では「ピアノという形のある楽器(=可算名詞)ではなく、ピアノパートという不可算の抽象名詞とみなしているから」無冠詞の piano になるのではないかと思います。
play + a/an + 楽器となる場合
通常は play the piano となりますが、the の代わりに a/an が入る場合もあります。
(調律されていないピアノなんて誰も弾きたくない)
この場合は「ピアノという楽器」という総称ではなく「調律されていない1台のピアノ」という一般名詞扱いということだと思います。
この使い方では普通 a と piano の間に修飾語が入るらしいのですが、それもそのはず、play a piano では「ただのピアノ」を弾くことになりこれなら play the piano でいいわけです。そのため何かの修飾語によって「ただのピアノ」ではなく”調律されていない”といった特徴を加える必要があるということだと思います。
まとめ
今回は「ピアノを弾く」と「ピアノで弾く」の英語表現をメインテーマにお送りしました。play the piano と play on the piano と表現するのでした。
おまけとして play the piano の the についても触れましたがこちらは冠詞についてのちょっとマニアックな話でした。
基本的には play the piano と play on the piano を覚えておけばほんとどの場合OKなはずです(もちろん、ピアノ以外でも楽器なら何でもOK)。
あとがき
ちなみに I actually play the piano everyday、本当に毎日ピアノ(電子)を弾きます。初心者ですがまさか自分がここまで弾けるようになるなんてと結構感動していたりします^^
最後まで読んでくれてありがとう!!また,遊びに来てね♡