今回は「もう迷わない not both A and B と not either A or B の使い分け」というテーマでお送りします。
not both A and B が「部分否定」でnot either A or B が「全体否定」なのですが、肯定文では both(両方とも)と either(どちらか)となることを考えると逆とも思えるこの2つがなぜこうなるのか、という疑問にズバリお答えするのが....
この僕!
ではなく私です(一応、ブログ管理人ですし**)
目次
- both A and B と either A or B とは?
- not both A and B と not either A or B の使い分け
- not both A and B と not either A or B の「なぜ」の考察
- まとめ
- 確認テスト
- あとがき
both A and B と either A or B とは?
まずは both A and B と either A or B の簡単なおさらいから。
both A and B
both A and B は「AもBも(両方)」という意味でした。
(トマトもキュウリも両方好きです)
Both you and I are wrong.
(あなたも私も間違っている)
両方だから A and B なんだね。
また、both には both of ~という使い方もあり、~のところには2つのもの(または2人)が入ります(3つ以上であれば all of ~となります)。
(どちらの場所にも行ったことがあります)
I know both of them.
(どちらも知っています)
both of ~の後の名詞には必ず冠詞の the が必要です(both of the cameras 等)。
また、both of the 普通名詞では of は省略可能です(both the cameras等)。
さらに、both of them と of の後に代名詞が来る場合がありますがこの場合には of を省略することはできません(both them は ×)
either A or B
either A or B は 「AまたはB(のどちらか一方)」という意味でした。
(ビーフかチキンのどちらかを選ぶことができます)
Either you or I am wrong.
(あなたか私のどちらかが間違っている)
Either you or I am の am が波線だね?
Both you and I の方は Both(両方)にあわせて複数形の are に、
Either you or I の方は「どちらか一方」ですが後ろにある I にあわせて am になります。
not both A and B と not either A or B の使い分け
さて準備が整ったところで本題の not both A and B と not either A or B の使い分けに入っていきましょう!
部分否定と全体否定
順番が前後しますが、全体否定は「まったく~ない」のように完全に否定しきるようなものを指します。
→ それについてまったく知らない。
→ 「知っている」ということを完全に否定
一方、部分否定は「必ず(すべてが、いつでも)~とは限らない」のようにその名の通り部分的に否定するような文のことです。
→ その店はいつも開いているとは限らない。
→「いつも開いている」を部分的に否定して「閉店のときもある」と言いたい。
僕はいつでもご機嫌だけどね。
いや、そこは部分否定っぽいセリフを言いなよ(やっぱり僕が解説するしかないな、これは)
not both A and B と not either A or B の意味
次の例文をご覧ください。
I don't like either tomatoes or cucumbers.
冒頭でご紹介した通り、
not both A and B は「部分否定」
not either A or B は「全体否定」
ですので次のような意味になります。
→ トマトとキュウリのどちらも好きでないというわけではない(部分否定)
I don't like either tomatoes or cucumbers.
→ トマトもキュウリもどちらも好きでない(全体否定)
でもやっぱり not both A and B が部分否定で、not either A or B が全体否定っていうのが納得できないっていうか...
OK。じゃあ、本題である「なぜ」の考察に!
not both A and B と not either A or B の「なぜ」の考察
not both A and B は「AとBの両方ともない=全体否定」、not either A or B は「AかBのいずれかを否定=部分否定」 のようにも思えるのですが実際は逆でした。
これを解明するには not が何が否定しているのかを考える必要があります。
それを自分なりに考察してみました。この説明のために上の例文をもう一度使います。
I don't like either tomatoes or cucumbers.
not both A and B を「全体否定(間違い)」、not either A or B を「部分否定(間違い)」と考えてしまうのは not が like を否定しているとみてしまうから。
I don't like either tomatoes or cucumbers.
この場合 both では「トマトもキュウリも両方を好きでない」 、either では「トマトとキュウリのどちらかが好きでない」という風に見えてしまいます。
正しく解釈するにはこれらの文を次のように考えます。
I like not either tomatoes or cucumbers.
not の位置が変わって、not both と not either が現れました。
これで「not は both、either を否定している」ということがよりはっきり見えてきます。
つまり、どういうこと?
実はあまりひねりもなく本当に「not は both、either を否定している」ということで、
not both =「両方ではない」
not either =「どちらかではない」
を表しています。
そしてこれらの文はこういう意味と捉えることができます。
→ 好きだ、(でも)トマトとキュウリの両方ではない
→ トマトとキュウリの一方だ=部分否定
I like not either tomatoes or cucumbers.
→ 好きだ、(でも)トマトかキュウリのどちらかではない
→ トマトとキュウリ以外が好き=(トマトとキュウリに関して)全体否定
ということは I don't like both tomatoes and cucumbers って言った場合は「トマトかキュウリの一方は好き」ってこと?
Exactly!
まとめ
今回はここがポイントでした。
確認テスト
最後に確認テストをご用意しました。問題を解いて正しく理解できたかを確認してみてください。
カッコの中に both、either、and、or のいずれかを入れてください。
1. He doesn't know ( ) John ( ) Mary.
(彼はジョンとメアリーのどちらも知っているというわけではない)
2. I don't have ( ) a car ( ) a bike.
(車も自転車も持っていない)
3. He doesn't know ( ) of them.
(彼は彼らのどちらも知っているというわけではない)
4. I don't have ( ) of them.
(どちらも持っていない)
1. He doesn't know both John and Mary.
2. I don't have either a car or a bike.
3. He doesn't know both of them.
4. I don't have either of them.
あとがき
both と either が否定形になるとなかなか曲者でしたね。「もう迷わない」なんていっておいてなんですが、もし迷ったら「not は both/either を否定」ということだけを思い出せればそこから正解を導き出せるはず。
最後まで読んでくれてありがとう!!また,遊びに来てね♡