A is to B what/as C is to D の意味と文法



 

今回は A is to B what C is to D と A is to B as C is to D を取り上げます。
これらはほぼ同じ意味の対比の構文ですが、文型が異なります。

 

おっ、また文法の重箱の隅つつきの予感がするぞ。

さらっとつついてみようかなと。

 

目次

 

意味

A is to B what C is to D と A is to B as C is to D の訳はともに

AのBに対する関係はCのDに対する関係と同じ

というのが定番のようです。

 

う~ん、わかったようなわからないような...

確かにちょっとわかりにくいかも。

 

というわけで次の文型解説のセクションでこの訳になる理由も合わせて詳しくみていくことにします。

 

文型解説

冒頭に書いた通り A is to B what C is to D と A is to B as C is to D では文型が異なりますので別々に解説していきたいと思います。

 

A is to B what C is to D の文型 

一見???となりそうですが語順を入れ替えると構造が見えてきます。

A is what C is to D to B

 

先生!見えてこないんですけど。

OK。じゃあ、もう一工夫。

 

A is (what C is to D) to B

what C is to D の部分はあまり馴染みがないかもしれませんが比較的よくみるパターンである I am not what I used to be の what I used to be と構造は同じです。

 

to D が to be にあたるってこと?

ごめん、例が悪かった(反省)

 

to D の部分は to が前置詞であるため文型(SVOC)の要素にはなりません
一方、used to be は一塊で動詞の役割をしています。

ここで使われている what はいわゆる「先行詞を含む関係代名詞」と呼ばれるもので隠れている先行詞は文脈などによって変わりますが what I used to be の場合は the kind of person that I used to be(かつてそうであったような人)というような感じです。

また what は人だけでなくモノも表しますので what C is to D の what は the thing that C is to D とも解釈できます。

いずれにしてもこの what C is to D の部分は名詞節であり A is (what C is to D) to B すなわち A is to B what C is to D の補語(SVOCのC)になっていますので文型は並べ替えても並べ替えなくても SVC ということになります。

 

文型から意味を読み解く

ここで what C is to D を X と置いてみましょう。すると A is X to B となります。これはとても簡単で「BにとってAはXだ」という意味になります。
X を what C is to D に戻すと「BにとってAはDにとってのCだ」という意味が見えてきます。

 

まだちょっとわからない。

OK。具体例で見てみよう。

 

White is to snow what black is to coal.

 これを「BにとってAはDにとってのCだ」に沿って訳してみると、
「雪にとって白は石炭にとっての黒だ」となります。

内容をもう少し詳しく追ってみると、前半の「雪→白」と後半の「石炭→黒」がBe動詞(is)で結ばれていることから 前半と後半が同じだと言っているわけです。

もとの A is to B what C is to D に戻って考えると「B→A」と「D→C」が同じだということになります。B→A、D→Cをそれぞれ「AのBに対する関係」、「CのDに対する関係」と読むことで定番訳の「AのBに対する関係はCのDに対する関係と同じ」が導かれます。

 

いちいちこんな細かいことを考えなきゃならないの?

Of course not. それよりも例文などをたくさんみて感覚的に覚えよう!

 

A is to B as C is to D の文型 

what が as になっただけなのですが文型が変わってしまいます。

what の場合は what が作る名詞節が文全体の補語になっていたためSVCとなりましたが、as は接続詞であるため従属節を導きます。つまり as C is to D が従属節となり、上でも説明したように to D は文の要素となりませんので残る要素は A is だけになります。
よって、A is to B as C is to D は SV ということになります。

さらに A is to B の方が主節ですのでメインとなり基本的には「言いたい事」がこちらに入り、従属節である as 以下には「主節の対比を分かりやすくするためのたとえ」が入る形になるはずです。

 

文型から意味を読み解く

A is to B as C is to D では as が接続詞でした。
この as は When in Rome, do as the Romans do と同じ as で「~と(同じ)ように」を表します(ローマにいるときはローマ人と同じようにしろ→郷に入っては郷に従え)。

よって「CのDに対する関係と同じようにAはBに対する関係がある」という意味になり結局は「AのBに対する関係はCのDに対する関係と同じ」を表していることになります。

The Earth is to the Moon as a melon is to a Japanese apricot.
(地球の月に対する関係はメロンの梅に対する関係と同じ)...らしいですよ。

 

おう、出たね、わかるようでわからない訳が。

そうなのよ。これが定番訳にただ当てはめるだけというのの弱点で。

 

実は A : B = C : D

A : B = C : D は日本語では「A対BはC対D」と読むと思いますが英語では A is to B as C is to D と読むようです。 
逆から考えると A is to B as C is to D は A : B = C : D を表しているというわけです。このような文が実際にあります。

5 is to 10 as 15 is to 30.
(5 : 10 = 15 : 30)

 これは数学的に表現した訳ですが、言葉で表現すると
10に対する5の比は30に対する15の比と等しい
という感じでしょうか(「比」は to から出てきます)。

これを踏まえてちょっと意味不明気味の地球と月とメロンと梅の例文をもう一度訳し直してみます。

The Earth is to the Moon as a melon is to a Japanese apricot.
(月に対する地球の(大きさの)比は梅に対するメロンの比と同じ)

 

OK。もう一声!

その場合、超訳になっちゃうけどいい?

 

 

超訳というか筆者がたまにいう翻訳なのですが(翻訳:原文の(単語ではなく)意味を過不足なくターゲット言語に置き換える作業)それだとこのくらいになるかなと。

「月と地球の比率って梅とメロンくらいの比率なんだよ」

 

まとめ

A is to B what C is to D と A is to B as C is to D は文型こそ違いましたが意味は(ほぼ)同じでした。

使い方としては「大きさの対比」はもちろんのこと「コアラにとってのユーカリはライオンにとっての肉と同じだ」のような対比でもOK。

また、as のバージョンで説明したように as 以下は従属節のためこちらには「分かりやすいたとえ」が入ります。what の場合も what の名詞節は補語になるためメインである主語の対比を分かりやすくためのたとえは what 以下に入ります。

as と what のいずれのバージョンも使われていますが調べた限りでは as の方が使用頻度が高そうでした(この記事を書こうと思った理由となった文も as を使ったものでした)。

 

あとがき

今回はなかなか良い対比が思いつかず例文を考えるのが大変でした^^

最後まで読んでくれてありがとう!!また,遊びに来てね♡