今回は「スピーチで大切なのは話す内容じゃなく言い方だ」というお題の英作文を通して,「単語から節へ」,content という単語の注意点,などを解説していきます。
目次
この記事の流れ
この記事ではまず英作文のお題を1つ提示します。
次に間違えやすいポイントを盛り込んだ「解答例(たたき台)」をお示しし,それを添削していきます。
最後に添削を踏まえた英訳例をお示しします。
注:英作文や英文ライティングの正解は1つではありませんので,英訳例はあくまで1例に過ぎないと考えてください。
英訳例を見る前にぜひご自分でも英作文にトライしてみてください!
今回のお題
「スピーチで大切なのは話す内容じゃなく言い方だ」
解答例(たたき台)
In a speech, the important thing is not its content but the way of speech.
添削と解説
「解答例(たたき台)」の改善ポイントをそれぞれ解説します。
In a speech
まずは speech から。
speech は不可算名詞としては「話すこと」を指します。
(例:freedom of speech「話すことの自由」→「言論の自由」)
一方,可算名詞として「スピーチ,演説,講演」などの意味を持ちます。
(例:give a speech to an audience「お客さんにスピーチする」)
この場合はもうスピーチって言っちゃてるので a speech で正解です。
また,たとえば for a speech か in a speech かで迷ったとします※。その場合,
When giving a speech
とするとこの問題を回避できます。
in a speech なら「スピーチにおいて=スピーチで」,
for a speech なら「スピーチのために=スピーチに」
というニュアンスの違いが出ます。
The important thing is
important「大切な(重要な)」,thing「こと」,うん,合ってるね。
合っています^^
ただし,これには前提があります。
それは「大切なことが1つだけ」ということです。
2つ以上あるなら,
An important thing is,または
One of the important things is
とします。
お題からはずれますが,複数あってその中でも一番大切なら,
The most important thing is
とするとそのニュアンスを表現することができます。
The important thing is も便利な表現ですが,せっかくですので「大切な(重要な)」を表現できる動詞をご紹介します。
それは,matter と count 。
これらを使って,
What matters is/are
What counts is/are
と表現することができます。
これの表現でも単数か複数かを考える必要があります。
さらに「大切なのは」という言い方をみて強調構文の出番だなと感じ取った方は鋭い!
(強調構文の説明はこちら)
強調構文を使うと,
It is ~ that matters
It is ~ that counts
と表現することができ,頭でっかち(主語の長さ)も回避できていい感じです。
not A but B
解答例は正解。
「AではなくB」の表現はこれで決まりです。
では「AだけでなくBも」はどうでしょう?
both A and B じゃない?
Nice try!, but not exactly.(ナイストライ,でも惜しい)
both A and B は「AもBも両方」ですので近いのですが,「だけでなく」感が出ていません。
そこで,
not only A but also B とします。
例:彼女はギターだけでなくピアノも弾ける。
→ She can play not only the guitar but also the piano.
ちょっと脱線しちゃいましたが,本題に戻ります。
its content
今回のメインテーマの一つでもある「話す内容」の英語表現。
content
まずは content の意味を確認してみましょう。
content = (何かの)中に入っているもの
今回のお題でいうと「スピーチの内容」=「スピーチの中に入っているもの」でワードチョイスとしてはOK,という評価になります。
注意すべきなのは日本語の「内容」を何でもかんでも content(s)にすることはできないという点です。
例えば「試合には勝ったが,内容はよくなかった」といった場合などです。これを,
I won the match, but the contents were not good. としてしまうと「試合には勝ったが,(箱か何かに入っていた)内容物はよくなかった」のような意味になってしまいます。
この場合には以前にもご紹介した「和文和訳(脳内変換)」によって「うまくプレーできなかった」と解釈して,
I won the match, but I didn't play well. くらいにしておけばOKです。
単語から節へ
「大切なのは」のところで the impotant thing を what matters にしたのと同じ考え方で「話す内容」を節で表現することを考えてみます。
これはこのように和文和訳(脳内変換)します。
「話す内容」→「あなたが何を言うか」
ここでも関係代名詞の what を使います。
what は先行詞を含む関係代名詞で
what = [the thing] that が成り立ちます( [the thing] の部分は文脈によります)。
この what を使って「あなたが何を言うか」を表現してみます。
ずばり,
what you say
です。
これで単語(content)から節(what you say)に変換できました。このような「節」による表現は場合によっては content などの堅くて難しい単語を使わなくて済みますし,なにより結構みかけます。
(例:「あなたの気持ちが知りたい」で your feeling ではなく how you feel というなど)
the way of speech
まず speech という単語が2回目の登場なので外したいところです。
ですが not its content but its way では少し曖昧な印象になります。
そこで「単語→節」のテクニックです。
「言い方」を脳内変換して「あなたがそれをどのように言うか」と考えます。
それを英語にすると,
how you say it
となります。
英訳例
以上をまとめると次のようにしました。
It is not what you say but how you say it that matters.
まとめ
しれっと「まとめ」に入ってるけど,英訳例が複雑過ぎるんですけど~。
う~ん,ぐうの音も出ない。
ですが,はじめからじっくり読み返してみてください。
not A but B,強調構文,単語→節 を組み合わせているだけですのでここまで読んでくださった方々であれば必ず理解していただけると思います。
あとがき
では次回の記事でお会いできることを楽しみにしています。
最後まで読んでくれてありがとう!!また,遊びに来てね♡