S + V + O + of ~のパターン [英作文は英借文]



さて「英作文は英借文」の第6回。テーマは”動詞”。
テーマは動詞なのですが今回の注目ポイントはちょっと変わった of の使い方。
では早速、行ってみましょう。

 

目次

 

この記事の使い方

この記事の使い方や目的についてはこちらの記事へ!

 

今日の英文

次の日本文を英語にしてください(すべて of を使用した能動態としてください)。

1. 到着したら教えてください。

2. 誰かにカバンを盗まれた。

3. それが私のあなたへの願いです。

 

1. Please inform me of your arrival.
2. Someone robbed me of my bag.
3. That's what I ask of you.

(他の表現方法もあるかもしれませんが、あくまで今回のターゲット表現としての解答を提示しています)

 

ちょこっと解説

ここでそれぞれの英文についてちょこっと解説を。

 

解答1 

Please inform me of your arrival(到着したら教えてください)

「到着したら」と聞くと when you arrive としたくなりますが、問題の指定に of を入れるというのがあるためこれを使うことはできません。
そこで inform A of B(AにBを知らせる)を使うことにします。ここで重要なのは「到着したら」に流されず「到着知らせてください」と解釈することです。

英作文(和文英訳/翻訳)で大切なのは日本語の一字一句をそのまま英語にすることではなく日本語で表現されている意味を英語にすることだと思います。その点では of を使うという指示がなくても inform me of your arrival として何の問題もありません。

またもっとカジュアルな表現としては、
Please let me know when you get there. 
などということもできます。

 

of は入ってないけどね。

うん、問題とは離れてね^^

 

解答2

Someone robbed me of my bag(誰かにカバンを盗まれた)

これは rob A of B(AからBを盗む)というの知っているかどうかの問題でした。

さっきの inform A of B もそうだけど of が何だかモヤモヤする。

だよね~。

 

この of については申し訳ないのですが正直、よくわからないんです。たとえば rob something of someone であればこの of は off から変化したのかな、なんて想像もできるのですが...こればっかりはそのまま覚えていただくしか。

とりあえず rob A of B さえ分かれば終わりなのですが、ここで終わるとさすがにちょっとという感じですのでちょっと本題とは離れますが steal との違いをおさらいしてみます。

 

rob と steal の違い

「誰かにカバンを盗まれた」を steal を使って普通に表現すると、

I had my bag stolen by someone.

となりますが、あえて「盗まれた」というのを無視して rob の文とあわせて Someone を主語にして書いてみると、

Someone stole my bag from me.

となります(my bag を me 以外から盗むことはあまりないので from me はいささか余計(redundant)ですが話の都合上ということで)。

 

So what?

あわてない、あわてない。

 

2つの文を並べてみます。

*Someone robbed me of my bag.
*Someone stole my bag from me.

さて、ここからが本題なのですが、これを受動態(受け身)にしてみたいと思います。

Someone robbed me of my bag.
 → I was robbed of my bag by someone.


Someone stole my bag from me.
 → My bag was stolen from me by someone. 

 

So what?(2回目)

受動態の主語をよく見てみると....

 

rob の方は主語が「I」、steal の方は主語が「My bag」になっていることに注目です!

能動態から受動態に変換する際、主語になるのは目的語です。rob の文の目的語は me、steal の文の目的語は my bag ですからそれぞれの受動態の主語はこれらになるというわけです。

 

So what?(3回目)

これがいきなり受動態で言おうとか書こうとかしたときに案外間違いやすいんだよね。

 

「誰かにカバンを盗まれた」ということが言いたくてじゃあ受動態で言おうとするとします。そうすると”盗まれた主体”は「私(I)」なので I を主語にして、盗まれただから stolen だなと考えて次のようにしてしまいがち。

× I was stolen my bag (by someone).

仮にこの文を能動態に戻すと
× Someone stole me my bag. 
となりますが steal にこのような用法はないためやはり間違いということになります。
ということで「盗まれた」を受動態で言うとき(書くとき)には注意しましょうというお話でした。

 

OK、ようやく納得。

よかった^^

 

解答3

That's what I ask of you(それが私のあなたへの願いです)

 

何じゃこりゃ?

OK。順を追って説明していくよ。

 

ask というと ask someone to do という形が浮かぶ方も多いと思います。

He asked me to help him
(彼は僕に手伝ってと頼んだ)

 

今回の問題は to do の部分がなく「誰々何かをお願いする(問題文:私があなたにお願い)」という構造になっています。
ちょっと話は逸れますが ask というと次の文が有名です。

*Can I ask you a favor?
(お願いがあるんだけどいいかな?)

実はこれを書き換えて次のようにすることができます。

Can I ask a favor of you?

 

えっと、you の favor = your favor ってこと?

そう考えてもいいんだけど...

 

検索してもあまり出てこないのですが、次のような言い方も文法的に正しい表現です。

Can I ask a question of you?
 =Can I ask you a question?

この文ではより分かりやすいのですが a question of you は「あなた質問」ではなく「あなた質問」なので a favor of you も your favor と解釈するのには少し無理がありそうです。

結局のところ ask A of B で「B(人)にAをお願いする(たずねる)」というフレーズになっていて of B の部分で”お願いしたい相手”を表現するという形になっています。

 

さて、ようやく本題の、
That's what I ask of you
と参りましょう!

what は先行詞を含む関係代名詞で the thing that と同じことですので、
what I ask of you = the thing that I ask of you となります。
こうすると the thing が ask の目的語になっているのがより明確に見えてくるんじゃないかと思います(I ask the thing of you の the thing が前に出て関係代名詞で繋がっています)。
of you は「あなたの」ではなくて「あなた」でした。
これらを総合すると what I ask of you =「あなたにお願いしたいこと」ということになります。

That's what I ask of you では「それがあなたにお願いしたいこと」→「それが私のあなたへの願いです」と逆から考えるとこういう流れで英文と和文がつながっています。

 

転んでもただじゃ起きないぞ!

間違えたことは失敗じゃなくてチャレンジした証だ!

という僕のセリフを取っちゃダメじゃん^^

 

知らなかった表現はこの際覚えてしまいましょう!
声に出して読むと効果的です。

今日の英文!1. Please inform me of your arrival.
 (到着したら教えてください)

2. Someone robbed me of my bag.
 (誰かにカバンを盗まれた)

3. That's what I ask of you.
 (That's what I ask of you)

(Web版 Google Chrome限定の発音機能についてはこちら!) 

 

あとがき

もう動詞じゃなくて前置詞 of の特集じゃないかという素朴な疑問を持った貴方、正解!

最後まで読んでくれてありがとう!!また,遊びに来てね♡