前置詞 through を基本イメージで攻略



英語を使いこなす上で重要な要素である前置詞。

この前置詞は動詞とともに phrasal verbs(句動詞)を構成し、動詞 + 前置詞という形をとります。会話などでは例えば penetrate(貫通する)という難しい単語よりも cut through(貫通する) のような動詞 + 前置詞の方が好まれる傾向があります。

 

そして phrasal verbs では前置詞が動きの方向などを決める重要な役割を果たしています。この記事ではその前置詞の中から through を取り上げます。

 

あ~ビックリした!ダメだよ、こんな書き出しじゃ。まじめな英語ブログかと思っちゃうよ。

いや、いたってまじめな英語ブログなんだけど^^

 

 

目次

 

 

through の基本イメージ

始まりから終わりまで貫き通すというのがthrough の基本イメージ。

これを図にしてみました。

 

throughの基本イメージ図

以下では through の複数の意味をご紹介しますが、ほぼこのイメージで理解可能です!

 

through の各種意味

ここからは through の主な意味をみていきます。

具体的には、

☆~を通って

☆(手段・原因など)を通じて/によって/のおかげで

☆ずっと

☆終わる

の4つです。

 

ではそれぞれ詳しくみていきましょう!

 

~を通って

through といえばこの意味というのがこの「~を通って」。

1. There is a road through the woods.
(森を通る道がある)

2. We drove through the town to the sea.
(僕たちは町を通って海までドライブした)

 

1番目は「森の中を道が通っている」様子がイメージできます。

2番目は「その町を抜けると海」というイメージです。

 

2番目の例文の to が赤くなってるね?

 

through は通り抜けることを表し、その先の目的地を to で表します。今回のテーマである through とは直接関係ありませんが through A(経由地) to B(目的地)はよく使われるパターンです。

 

drive through a red light

この drive through a red light は「~を通って」の応用として考えることができます。

a red light はもちろん「赤信号」。赤信号を通って運転してしまうので drive through a red light は...「車で信号無視をする」という意味になります。

 

(手段・原因など)を通じて/によって/のおかげで

この使い方では「~を通じて/介して」という意味が基本となって文脈によって「~によって」や「~のおかげで」という意味と解釈されます。手段・原因などを「通って」と考えると分かりやすいかもしれません。

3. We know each other through common friends.
(僕らは共通の友人を通じての知り合いです)

4. If knowledge can create problems, it is not through ignorance that we can solve them.
- Isaac Asimov
(何かを知ることで問題が生じ得るとして、無知によってその問題を解決できるわけではない -アイザック・アシモフ)


5. Through your support, we were able to achieve our goal.
(ご支援のおかげで目標を達成することができました)

 

例文3は「共通の友人」を通じて(介して)ということで through の基本イメージから連想可能な意味ですね。

例文4は有名なアイザック・アシモフの言葉です。through ignorance は「無知を通じて」→「無知によって」と解釈することができます。

例文5も「あなたの支援を通じて」をもう少しこなれた言い方にしたのが「支援のおかげで」ということになります。

 

こう考えると”無知によって”、”ご支援のおかげで”も「通じて」という基本イメージから理解可能だということをガッテンしていただけましたか?

 

ガッテン、ガッテン。

 

ずっと

始まりから終わりまで貫き通す」ということから「ずっと」という意味が派生します。

6. The restrictions will continue through June.
(規制は6月中はずっと継続される)

 

 7. We are open from Monday through Friday.
(月曜日から金曜日まで営業)

 

7番目の例文には「ずっと」が入ってないんだけど?

 

 
ちょっと寄り道

「月曜日から金曜日まで」は「月曜日から金曜日までに定休日はない」ことを示し、その意味で「ずっと」を表していますが、仮に「月曜日から金曜日までずっと」としてしまうと24時間営業が平日中ずっと続くとも読めてしまうので「ずっと」を入れない方が良いかなと思います。英語もですが、日本語も難しいですね。

 

終わる

「始まりから終わりまで貫き通した」その後に注目すると「終わる」ということになります。

8. I've just got through the book.

(ちょうどその本を読み終えたところです)

 

9. He goes through money like water.
(彼はお金を湯水のように使い切る→彼は金遣いが荒い)

 

10. We are through with the work.
(その仕事はやり終えました

 

11. We are through.

(私たちもう終わりね

 

8番目と9番目はそれぞれ the book、money を「通り過ぎる→読み終える/使い終える」と考えると比較的分かりやすいですね。

10番目は We are through で「終えた」なのですが、be through の場合は「何を」という目的語の前に with が必要です。

11番目は文脈にもよりますが例文の訳のような意味でも使われます。この場合であれば交際という始まりと終わりのあるものを「通り過ぎた」ということになります。

 

まとめ

最後に今回のおさらいをしておきましょう。

through は「始まりから終わりまで貫き通す」というイメージ攻略できるということでした。

具体的な意味として次の4つをみてきました。

 

through の主な意味

☆~を通って

☆(手段・原因など)を通じて/によって/のおかげで

☆ずっと

☆終わる

 

それぞれぜんぜん違う意味に思えますが実はちゃんとつながりがありましたね。

 

あとがき

久しぶりの文法事項の記事でしたが、いかがだったでしょうか?もう少しこういう記事も書きたいのですが下調べも含めてなにせ時間がかかるのが難点でして。

最後まで読んでくれてありがとう!!また,遊びに来てね♡