前置詞 over を攻略:イメージ図から導く各種の意味



over ってさ「~の上方に」「~を越えて」「~を超えて」「~を覆って」「~にわたって」「~をめぐって(~について)」とかいっぱい意味があってわけわかんないだけど。

そんなゼブラくんのような人のために今回はすべての意味の出発点となるイメージ図をご用意しました!

 

目次

 

基本イメージ図!

over のイメージ図

 

これが over の基本イメージ。

言葉で表すと上を越えて行こうぜ!」という感じです。

 

この図には少し注釈が必要なのですが、それは over の個別の意味を考える次のセクションで!

 

over の意味

さて、ここからは over の意味をそれぞれみていきましょう。

 

越える

まさに基本の意味ど真ん中です。上の図を参考に次の状況をイメージしてみてください。

 

fly over the rainbow = 「虹を越えて飛んでいく」→下をくぐるのではなく上から!

jump over the hurdle =「ハードルを跳び越える」→もちろん上から

 

 

そう、over は「上から」

 

覆う

先ほど触れた図に必要な注釈の一つがこれです。

実は over は「間に空間がなく接触している場合もある」のです。

つまり、



こういう状況。

誰かが毛布を掛けてあげたとすると、

Someone put a blanket over her. 

と表現します。 

 

over は「一部または全部を覆っている」を表現できる!

 

顔まで毛布を掛けても掛けてなくても over ってことね?

うん、その通り(...いや、毛布は顔まで掛けんでしょ^^)

 

~の上方に

最初のイメージ図の注釈はもう一つあります。

 

いや、もうイメージ図が間違ってるんじゃ?!

し~っ!

 

このイメージ図では球の向こうへ飛んで行く矢印になっていますがこれは「動き」を表しています(fly over the rainbow など)。

一方、矢印がないパターンもあります。

たとえばこんな感じ。

f:id:Translish:20210808151234j:plain

この「雲」を英語で表現すると、

clouds over the sea

となります。

つまり、over は

「動きがなく上方に浮かんでいる場合もある」わけです。

 

端から端まで/~にわたって

walk over the bridge =「歩いて橋を渡る

注:明石海峡大橋は歩いて渡れない自動車専用道路^^

この walk over the bridge は「橋の上を歩いて向こう側へいく」という意味。

⇔ over を入れない walk the bridge は単に「橋の上を歩く」という意味になります。

 

over の「覆う」という意味から「橋を覆う」→「橋の端から端まで」という意味が派生してきます。

たとえば、a bridge over the river は「川の端から端までの橋」なので「川に架かった橋」という意味に。

 

また、この「端から端まで」というのを時間に当てはめると「~にわたって/~の間に」という意味にもなります。

This event continues over the weekend(このイベントは週末を通して(にわたって)続きます)

We talked over lunch(私たちは昼食をとりながら(の時間にわたって)話をした) 

 

~を超える

over には接触していない方のイメージから導かれる「~を超える」という意味があります。

over one million copies sold(100万冊を超える売り上げ)

sleep over 8 hours(8時間を超える睡眠をとる)

 

ちょっと待った!「8時間を超える睡眠をとる」って堅くない?もういっそのこと「8時間以上寝る」でいいじゃんか。

ここがややこしいところなのですが、over は「接触していることもあるよ」なんていっておきながらこの「~を超える」という意味では「その数字は含まない」のです。

ですから厳密にはその数字を含む「以上」ではなく含まない「超える」としなければなりません。

 

ただ、そこまで厳密である必要がないときには「8時間以上寝る」と訳してもいいと僕個人は思います。

 

~について(めぐって)

もうこれに至っては「上を越えていくイメージ」関係なくない?

そう思う....

とも言っていられないので、真面目に考えてみます。

 

argue over an issue を例にとります。

 

これは「ある問題について議論する」という意味ですが、over の「上を越えていくイメージ」を思い出すと「その問題の上を議論が行き来する」感じがしてきます(してきて欲しい [願望])。

そこから「ある問題をめぐって議論する」という意味になるというわけ。

 

う~ん。説明が微妙...

 

形容詞とか副詞の over

前置詞の over というタイトルですが形容詞と副詞でも同じイメージでいけるのでさらっとみておきましょう!

A. The game is over

B. over and over again

C. start over

 

Aの The game is over の over は Game Over というときの over です。

これは上の2-2の「一部または全部を覆っている」のうち「全部を覆っている」と考えるとわかりやすいです。game を全部覆ったので「終わり」という感じ。

 

Bの over and over again はと「何度も何度も」いう意味。

覆って、覆って、覆いまくれ!と何度も上塗りしていくイメージでどうでしょう?

 

Cの start over は最初のイメージ図の矢印を向こうからこっちに向けてみて考えると....「向こうからこっちに戻ってきて始める」→「最初からやり直す」となります。

 

なるほどね。

 

 

今日のポイント! over は、
○ 上から越えていく
○ 接触していたり、空間があったり
○ 一部または全部を覆っちゃえ
○ 端から端まで
○ 「上から」から「~を超える(100人を超えるなど)」を連想

 

あとがき

軽い気持ちで書き始めた over ですが、ずいぶんと大作になってしまいました。もうそれは夜も眠れないほど苦労しました。いや、オーバーじゃなく^^

最後まで読んでくれてありがとう!!また,遊びに来てね♡