疑似関係代名詞 as を含む英文解釈と解説



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いつも「英語は英語で考えろ」って言ってるのに英文解釈に手を出すとは、ゴリさんついに焼きが回っちゃったね。

それを言われるとぐうの音も出ません(^^)。でも、でもですよ、「英語は英語で考える」ための基礎となる力を英文解釈を通して付けることはできると思うのよ。

 

今回の英文がこちら。

These facts seemed to me to throw some light on the origin of species—that mystery of mysteries, as it has been called by one of our greatest philosophers.

(Charles Darwin著 On the Origin of Species より引用)

 

さて、どんな意味になるでしょうか?

 

目次

 

今回の英文

These facts seemed to me to throw some light on the origin of species—that mystery of mysteries, as it has been called by one of our greatest philosophers.

 

英文解釈の要点となる部分をアンダーラインで示しています。それぞれについて詳しくみていきましょう!

 

seem to me to ~

seem + to 不定詞 で「~するように思える」ということを表します。

それに「誰々には」と付けくわえるときには seem to someone と for ではなく to を使います。

 

例: He seems to me to be right(僕には彼が正しいこと思える)

 

また、この例文は次のように書き換え可能です。

He seems to me to be right. ⇔ It seems to me that he is right.</p>

 

書き換え後の文は It ~ that の形式主語の構文で It が形式上の主語、that 以下が本当の主語という形。形式主語については別の記事で詳しく書きました。

englishluke.com

 

throw light on ~ 

このイディオムは「~に光を投じる」、すなわち暗いものに光を当てて見えやすくするということから「~の解明に役立つ」という意味になります。

 

throw の他、shed light on や cast light on でも同じ意味で使えます。

 

例:These findings will throw light on how the disease occurs.

→これらの発見(知見)がその病気がどのようにして起きるのかということの解明に役立つだろう。

→これらの知見は当該疾患の発現機序の解明に役立つであろう。

 

2番目の訳はちょっとイキちゃったね。

一応、メディカル翻訳が専門だからね^^

 

-that mystery of mysteries

ポイントはこの箇所が直前の the origin of species の説明となっていることです。

通常は「,(コンマ)」で区切ることが多いですが、このようにー(ハイフン)で区切ることもあります。”意味”は同格を表す「すなわち」。

 

これは関係代名詞 which の非制限用法が省略された形と考えることができます。

省略しない場合は、

the origin of species, which is that mystery of mysteries

となりますが、この後に次に説明する疑似関係代名詞 as が来るため元の形の方がすっきりします。

 

as it has been called 

お待たせしました!

今回のテーマである疑似関係代名詞 as についてここから少し詳しくみていきます。

 

疑似関係代名詞 as の用法

まずは疑似関係代名詞 as の使い方です。

 

John was late yesterday, as is often the case with him.

(ジョンは昨日遅刻した。まあ彼にはよくあることだが)

 

 

 
本来 as は「~なように」を意味する接続詞です。その as があたかも関係代名詞のような働きをするため疑似関係代名詞と呼ばれています。
この名称は覚えなくてもOK。

 

☆ 疑似関係代名詞 as の役割 

この as は which の非制限用法と似た使い方で主節全部(John was late yesterday)を先行詞として主節の追加説明をしています(非制限用法について詳しくは下のリンク先の記事で解説しています)。

englishluke.com

 

☆ 疑似関係代名詞 as の基本の意味は「~のように」

ブ~、ブ~。「~のように」が基本です、ってさらっと書いてるけど上の訳はそうなってないじゃん。

上の訳は主節の追加説明を強調した訳にしています。流れとしては、

John was late yesterday, as is often the case with him.

 →「ジョンにはよくあるように、彼は昨日遅刻した」

  →「ジョンは昨日遅刻した。まあ彼にはよくあることだが」

という感じです。「~のように」は日本語では前に来た方が自然です。

 

ここでは「~のように」というニュアンスがほんのり残っているというイメージが感じられればそれでOKです。

 

☆ 疑似関係代名詞 as は先行詞より先行することが可能

この as が特殊なところはここで、as の節を前に置くことが可能です。

 

As is often the case with him, .John was late yesterday. 

 

こうなるともはや「先行詞」って言葉はどうなのよ。

 

as it has been called の解釈

These facts seemed to me to throw some light on the origin of species—that mystery of mysteries, as it has been called by one of our greatest philosophers.

 

この as の先行詞ってどれだかわかるかい、ゼブラくん?

さっき、「主節の全部」っていってたから These facts から mysteries まで全部じゃない?

 

実は正確には as の先行詞となるのは主節の一部または全部です。

そして今回の文の場合、先行詞は that mystery of mysteries です。

つまり、it has been called that mystery of mysteries by one of our greatest philosophers という構造です。

 

one of our greatest philosophers は「我々のもっとも偉大な哲学者の一人」。

as it has been called の it は「the origin of species」を言い換えたものです。

 

以上を合わせて考えると、

 

that mystery of mysteries, as it has been called by one of our greatest philosophers

→「あの神秘中の神秘、種の起源は我々のもっとも偉大な哲学者の一人によってそのように呼ばれているのだが」

 

全文訳

These facts seemed to me to throw some light on the origin of species—that mystery of mysteries, as it has been called by one of our greatest philosophers.

 

「これらの事実は種の起源、すなわちあの神秘中の神秘(種の起源は我々のもっとも偉大な哲学者の一人によってそのように呼ばれているのだが)の解明にいくらか役立つと私には思える」

 

上の解説では「あの神秘中の神秘、種の起源は...」と(、)で区切りましたが、(1)「すなわち」の後であること、(2)it が the origin of species であること、(3)この部分が長く主語(事実は)と述語(役立つと思える)が離れすぎること、などを考慮してすっきりさせるためにカッコ()にしました。

受験などでこのカッコが「あり」かどうかはわかりませんが、個人的には「あり」だと思います(と同時に、受験などでは避けた方がベターだとも思います)。

 

この訳例は堅いので少し「超訳」すると、

「今回の事実は種の起源、すなわち我らが最高の哲学者の一人のいう「あの神秘中の神秘」の解明に多少なりとも役立つのではないかと私にはそう思えるのだ」

 

またカッコ「」を使うという。

えへへ(^^)

 

あとがき

今回は初めての試みとして著作権切れ確実な「種の起源」から文を選んで英文解釈をしてみました。読み進めて英語学習にとってあまり良いセンテンスが出てこない場合、カテゴリーごとしれっと消える可能性があります^^

最後まで読んでくれてありがとう!!また,遊びに来てね♡