目次
今回のテーマ
今回は take it for granted that SV を取り上げます。
まずは意味から!
take it for granted that SVの意味
take it for granted that SV
→ SV を当然のことだと思う
この take は take it as yes(「はい」と考える→OKってことだよね)の take と同じ使い方です。
granted は grant の過去分詞で、grant の動詞の意味は「授ける(与える)」です。
よって take it for granted that SV は「it(後述のように本当は that SV)を与えられているものとして考える」ということになり「もう与えられているもの」=「当たり前」ということから take it for granted that SV が「SVを当然のことだと思う」という意味になります。
take it for grantedを使った例文
次に例文で使い方を確認していきます。ここでは it ~ that を含まない take something for granted の例文もご紹介します。
例文
I take it for granted that we all make mistakes.
→ 僕らはみんなミスをするのが当たり前だと思っている。
He takes it for granted that he will win.
→ 彼は自分が勝って当然と思っている。
Don't take that for granted.
→ それを当然のことだなんて思うな。
使い方やニュアンスがつかめましたか?
ここからは文法解説です!
3つのポイント
この記事では take it for granted that SV に関する次の3つのポイントに着目して掘り下げます。
☆ 前置詞 for の役割
☆ for granted は文法的に間違い?
では早速1つ目のポイントから見ていくことにしましょう。
☆ it ~ that の形式目的語構文
take it for granted that SV の it は形式目的語で、意味上の目的語(真目的語)は that SV の部分です。
形式目的語とか真目的語って何?
ここを押さえよう!
形式目的語(または仮目的語とも)は第5文型SVOCの O の位置に形式的に置かれる it のことで、その後に来る that 節や不定詞、動名詞などを受けます。この it に意味はありません。
真目的語は形式目的語 it の後に来る that 節や不定詞、動名詞などのことでその文の本当の(意味の上での)目的語となっている部分です。
*形式目的語については過去の記事で詳しく扱っていますのであわせてお読みください。
では先ほどの例文で確認してみます。
この文で it は意味を持たず、次に来るべき真目的語のいわば予告となっています。つまり、I take it for granted と言われた側(聞き手)は「何が当たり前なの?」と考え、その直後に that we all make mistakes と来たときに”待っていた予告の回答”が得られたという形になるわけです。
☆ 前置詞 for の役割
take it for granted における for はいわゆる「交換の for」だと解釈しています。交換の for の典型例としては、
I bought the watch for $100.
という使い方が挙げられます。この文の”意味”は「その時計を100ドルで買った」ですが、交換に着目すると「その時計を100ドルと交換で買った」ということになります。
もう少し典型的でない例として、
take A for B
というものがあります。これは「AをBと間違える」という意味ですがあえて交換を強調すると「AをBと交換で捉える」となり、これはつまり”AとBをごっちゃにしている”ということなので「AをBとして捉える」を経て「AをBと間違える」という訳が成立します。
そして今回の take it for granted that SV の for にはこの「~として」という意味が当てはまります。
take it for granted →「it(本当はthat SV)を granted として考える」
となります。そして最初にも書いたように「もう与えられているもの(granted)」=「当たり前」ということから「SV を当然のことだと思う」という意味が導き出されます。
おっ出た、説明が決まったと思っているときのドヤ顔!
えっ、やっぱり出ちゃってる? (^^♪
☆ for granted は文法的に間違い?
for は前置詞だと書きましたが、だとするとおかしなことになります。なぜなら前置詞の後には名詞か代名詞しか来ないはずだからです。
granted は過去分詞で形容詞のような役割をします。でもあくまで形容詞であって名詞や代名詞ではありません。
ということは、take it for granted って間違いなの?
文法ルールからは逸れるという意味では”間違い”ですが、実際使われているので決して間違いではありません。
本当のところは不明なのですが、推測では take it for being granted の being がいつしか省略されるようになったのかなぁと思ったりしてます。仮に being があれば being granted の部分が動名詞扱いになるので for の後ろに来ても何ら問題ありません。
結局 take it for granted って間違いではないのね?
もちろん!自信を持って使って大丈夫だよ。
文法って”侵すべからざる絶対的ルール”というわけじゃないんですよね。
このブログでは何度か書いたかもしれないのですが、「早く来すぎた」って文法的に解釈するとどう考えても”早く”+”来すぎた” → 「何度も早く来た」ってことになっちゃいますし。本当は「来るのが早すぎた」が”正解”なのでしょうけど、「早く来すぎた」って普通に言っちゃいますし。
まとめ
今回は take it for granted that SV について解説しましたが、いかがだったでしょうか?
形式目的語と交換のfor という考え方は大事なポイントですので是非とも押さえておいてください。
最後まで読んでくれてありがとう!!また,遊びに来てね♡