分詞構文とは?-作り方と意味をわかりやすく解説します!



分詞構文とは?-基礎からわかりやすく解説


この記事では「分詞構文とは?」というところから分詞構文の作り方、5つの意味(時、条件、付帯状況、譲歩、原因・理由)、分詞構文の置かれる位置、時間的なズレがある場合(応用)までを網羅していきます。

では早速参りましょう!

 

目次

 

分詞構文とは?

ではまず分詞構文とはどういう構文かということからみていきます。

 

分詞構文=分詞が動詞と接続詞を兼ねて副詞句を作る構文

 

まて~い。全く分からない!

安心して。説明はこれからだから! 

 

分詞とは?

分詞には現在分詞過去分詞の2つの種類があります。


現在分詞=動詞の-ing形(例:going, standing, taking など)

過去分詞=動詞の-ed形 or 独自の形(例:looked, burned, taken, thrown など)


分詞は動詞でありながら形容詞の役割をします。
例:a running dog(走る犬)→ running が dog を修飾する形容詞として機能
  a forgotten memory(忘れられた記憶)→ forgotten が memory を修飾

 

分詞自体はよくみる気がする。

 

接続詞とは?

接続詞とは単語と単語(You and I)、句(in Japan or in other countries)、節(When I saw him, he was eating a donut)を結ぶ単語です。

 

 
ちょこっとメモ:句と節

句も節も文の1部となるもののことですが次の違いがあります。

句:SV(主語+述語)のペアがない(in Japan など)
節:SV(主語+述語)のペアがある(When he sleeps など)

 

副詞句とは?

副詞句とは何かを考えるためにまず「副詞」とは何かを考えてみます。

副詞というのは動詞、形容詞、副詞、文(全体)を修飾する品詞です。
例:work hard(hardが動詞workを修飾), very happy(veryが形容詞happyを修飾), very rarely(veryが副詞rarelyを修飾)、Regrettably he didn't come(Regrettablyがhe didn't come全体を修飾)

 

副詞句は副詞と同じ役割を果たす複数の単語からなりSV(主語+述語)のペアがないものということができます。
例:He turned to the left(この to the left は副詞句で turned を修飾しています)

 

なるほど、副詞の役割を果たす単語の集まりが副詞句ってことだね。

Exactly!

 

で、結局分詞構文って何なのよ

ここでもう一度分詞構文の定義をご覧ください。

分詞構文=分詞が動詞と接続詞を兼ねて副詞句を作る構文

 

おぉっ、上でおさらいした成果か、分詞と接続詞と副詞句が浮かび上がって見える!!

いや、赤の太字になってるからだと思う^^

 

分詞は動詞の形なので「動詞と兼ねて」は当たり前ですのでとりあえず無視すると、
分詞構文=分詞が接続詞の役割を果たして副詞句を作る構文
ということもできます。

分詞構文の作り方

「分詞が接続詞の役割を果たして副詞句を作る」というのを逆から考えて「副詞節から接続詞を取り除く」ことで分詞構文が作れそうな予感がしませんか?

 

しません。

そこはしようよ^^

 

現在分詞の場合

ということでここはひとつやってみましょう。
現在分詞の分詞構文を次のステップで考えてみます。

1. 「接続詞のある副詞節」が出発点です。節ですからSV(主語+述語)があります。
2. 接続詞を取り除きます。
3. 節→句ですから主語も取り除きます。
4. 動詞を分詞(現在分詞)に変えます。


お題はこちら。
When he saw the police, he ran away.
(下線部が副詞節:警察を見て彼は逃げた)

1. 「接続詞のある副詞節」が出発点でSV(主語+述語)があることを確認
When he saw the police [he がS、saw がV]

2. 接続詞を取り除く
he saw the police [When を取る]

3. 主語も取り除く
saw the police [he を取る]

4. 動詞を現在分詞に
Seeing the police [saw → see → Seeing(文頭なので大文字に)]

この手順で,
Seeing the police, he ran away. 
という現在分詞の分詞構文が完成しました!

 

ほら、できたでしょう!

 

このように分詞構文は「接続詞+主語+述語からなる副詞節」から接続詞と主語を取り除いて「副詞句」にすることで作ることができます。
もちろん慣れてくれば初めから分詞構文を作ればよく、副詞節から出発する必要はありません。

 

過去分詞の場合

過去分詞の分詞構文となるのは出発点となる副詞節が受動態(受け身)の場合。
過去分詞の場合には現在分詞の分詞構文の作り方で取り除いたものに加えてもう一つBe動詞を取り除く必要があり,逆に受動態はもともと過去分詞ですから「動詞を分詞に変える」というは必要ありません

1. 「接続詞のある副詞節」が出発点です。節ですからSV(主語+述語)があります。
2. 接続詞を取り除きます。
3. 節→句ですから主語も取り除きます。
4. Be動詞を取り除きます。
5. 動詞を分詞(現在分詞)に変えます。


ではこちらも実際にやってみましょう。お題はこちら。
Because I was shocked by a bolt of lightning, I dropped my phone.
(下線部が副詞節:落雷に驚いて携帯落としちゃった)

1. 「接続詞のある副詞節」が出発点です。節ですからSV(主語+述語)があります。
Because I was shocked by a bolt of lightening [I がS,was surprised がV]

2. 接続詞を取り除きます。
I was shocked by a bolt of lightning [Because を取る]

3. 節→句ですから主語も取り除きます。
was shocked by a bolt of lightning [I を取る]

4. Be動詞を取り除きます。
Shocked by a bolt of lightning [Being 取って文頭に出た surprised を大文字に]

5. 動詞を分詞(現在分詞)に変えます。

これで,
Shocked by a bolt of lightning, I dropped my phone.

という過去分詞の分詞構文の完成です!

 

ちょっといい?Being tired, I went to bed earlyっていうのを見たことがあるんだけど?これって Being いらないんじゃないの?

これはこういうことなのよ。

 

 
ちょこっとメモ:Being tired or Tired ?

確かに tired は tire(疲れさせる)という動詞の過去分詞形とも考えられますが,tired は形容詞扱いで辞書にも形容詞として掲載されています。
ですから Because I was tired を分詞構文にするときには Tired ではなく,was を現在分詞形である being にして Being tired, .... とするというわけです。

 

なるほどね。

 

分詞構文の5つの意味

冒頭にも書いた通り分詞構文には大きく分けて5つの意味(時、条件、付帯状況、譲歩、原因・理由)があります。
これらはそれぞれ省略される接続詞の持つ意味に沿っています。その接続詞とは次のものです。

ここがポイント! 時 = when(~するとき)
付帯状況 = while(~する間)
原因・理由 = because(~だから)
条件 = if(もし~なら)
譲歩 = although/while(たとえ~でも/~だけれども)
 *条件と譲歩はほぼ慣用的なものに限られる

 

while が二つあるよ。どっちか間違いじゃないの?

それがね、これで正解なんだよ。

 

 
ちょこっとメモ2:while の意味

while には2つの意味があります。
「~する間」(例:While I'm taking a shower)
「~する一方で/~とはいえ」という譲歩の意味
(例:While I admit that he is great, I don't really like him
   彼がすごいことは認めるけど、あまり好きではない→) 

 

では接続詞による副詞節→分詞構文による副詞句の変換を行って5つの意味を確認してみます。

When I read the data, I realized that I was wrong.
Reading the data, I realized that I was wrong.
(データを見たとき自分が間違っていたと気づいた)

While he had breakfast, he listened to music.
Having breakfast, he listened to music.
(彼は朝食を取りながら音楽を聴いた)

Because I was busy, I couldn't manage to find time to study English.
Being busy, I couldn't manage to find time to study English.
(忙しかったのでどうしても英語を勉強する時間を取れなかった)

If it is used properly, this tool will last long
Used properly, this tool will last long.
(ちゃんと使えばこのツールは長持ちする)

Although I grant that it is true, I won't change my mind.
Granting that it is true, I won't change my mind.
(それが事実だとしても考え直す気はない)

 

この変換だったらもとの接続詞の意味で分かるけどさ、いきなり分詞構文だけ出てきたらどうやって意味を見分けるの?

 
「こうやればすべて完璧に見抜ける」という法則などがあれば良いのですが、残念ながらそういうものはありません。
ただし、おおよその目安になるものはあります。
1. 主節(分詞構文ではない方)に will や may などが使われてる場合→条件
2. Being で始まる場合→原因・理由
3. 「時」か「付帯状況」かは一瞬か時間の経過があるか
 一瞬→時、時間の経過あり→付帯状況
 

条件・譲歩の場合

条件や譲歩は慣用的なもの以外は条件では if や unless、譲歩では although や while などが付くので見分けるのは簡単です。
If done well, the plan may be a game changer.
うまくいけばこの計画はゲームチェンジャーになるかもしれない)

Although knowing that the plan had a fatal flaw, they didn't dare to change.
(その計画には致命的な欠陥があると知りながらも彼らはあえて変えようとしなかった) 
 

分詞構文の置かれる位置

ここまでの例文はすべて分詞構文が文頭にあるものでしたが、
分詞構文は文頭だけでなく文中、文尾にも置かれます。
John, noticing he could miss the train, began to run.
(ジョンは電車に乗り遅れるかもしれないと気づき走り始めた)

He slowed down, thinking that he would make it in time.
間に合うと思ったのでペースを落とした)
上は主語である John の直後に分詞構文が来ています。文中に来る場合には前後にコンマが必要です。
下は文尾に来ています。文頭のときもそうですが、文尾のときもコンマが必要です。

 

時間的なズレがある場合

「最終バスに乗り遅れたので、歩いて帰らなければならなかった」という文を考えると「最終バスに乗り遅れた」のは「歩いて帰らなければならなかった」より前の出来事です。
「過去の過去(大過去とかいったりします)は過去完了で表す」ことから分詞構文で表現すると、

Having missed the last bus, I had to walk home.

となります。

すなわち、分詞構文の部分を完了形にすると主節よりも前の出来事を表現できます。
これを because を使った文に変換すると、

Because I had missed the last bus, I had to walk home.

と過去完了であることがわかります。

 

ちょっと質問! 上でみた Seeing the police, he ran away の場合は「警察を見た→逃げた」の順で「警察を見た」のが「逃げた」よりも前に起きてるから Having seen the police, he ran away にならないの?

 

厳密な時間の経過を追うと確かに「警察を見た→逃げた」ですが、特に時間差を強調する必要がない場合は完了形にする必要はありません。
「警察を見た」のと「逃げた」のはほぼ同時ですから Having seen ではなくて Seeing でOKです。

 

また、Having missed the last bus, I had to walk home を完了形ではなく現在分詞で表現したとすると、

Missing the last bus, I had to walk home

となりますが、これはこれで成立します。

 

Having missed でも Missing でも意味は同じ?

 

日本語にしてしまうとどちらも「最終バスに乗り遅れたので」となって同じになってしまいますが、Having missed では”時間差を強調”しているので最終バスはとっくに出てしまっている状況。
一方の Missing では今目の前で出てしまったという感じです。現在分詞の分詞構文(完了形の Having + 過去分詞 以外)は(ほぼ)同時に出来事が起きていることを表します。

 

まとめ

今回は分詞構文とは何かというところから作り方、5つの意味、置かれる位置、時間のズレがある場合までとかなりのボリュームでした。

つまるところ分詞構文というのは「副詞節から接続詞と主語を省略して言っちゃおうぜ」ということだと思うのですが、実はこの記事では触れていないことがあります。
それは「主語を省略」できるのは副詞節と主節の主語が同じときだけなのです。もう一度例文を見ていただくと一目瞭然、すべて前と後ろの主語が同じになっています。

前と後ろの主語が違う場合のために「独立分詞構文」というものがありますが、これはこちらの記事で書きましたのでよろしければ併せてお読みください。

 

書くのを忘れてしまわなければ^^....と書いていましたが忘れずに記事にしました!

最後まで読んでくれてありがとう!!また,遊びに来てね♡